記者会見のライブを見た。社長からの報告は、ウェブサイトに載せる文章をそのまま朗読している様子だった。
見た目も器が小さそうな社長なので、それだけで苛立った。手は震えているわ、棒読みだわ、つっかえるわ、しかも(ウェブ用の)文語体を読み聞かせの原稿にしているものだから、何を伝えようとしているのか理解するために脳みそが疲れた。挙句に疲れた割に、なにも脳みそに残っていなかった。
21世紀の先進国の一部上場?の企業の社長が行うべき記者会見じゃない。
社長の報告なら、「社長の言葉」で「社長が伝えたいこと」を、何度も練習したうえで「伝えきること」を達成しなくちゃいけない。まったくそれが無かった。
この改善がふと頭に浮かんだ
- 社長はプレゼンの研修を受けて「スキル」を改善。なぜなら、そんなこと先進国の有数企業で当たりまえだから。これには、2日かかる。
- 同時に、今日の会見を構成/設営した広報の担当者は配置換えして外し、PR会社のディレクターを採用して任にあたらせる。なぜなら、ウェブサイトをぶっつけ本番で読ませるようなバカは、東電のブランド価値を大きく減損しているから。これも2日でやりきる。
- それから、定例だから開いている会見なら、その慣習は中止する。なぜなら、報告のための報告を部下や下部組織に強いるようなことが減り、現場では復旧に集中できるから。これは、今すぐできる。
- そして、最後に(でも本来は一番最初に)、「誰に何を伝えるのか」を会見ごとに定義することだ。なぜなら、毎回毎回社長が謝罪から始めて、ウェブサイトを朗読する、、、これって何???だからだ。
続いて、記者からの質問コーナーだった。
NHKの方が聞かれた。
「今までの台風だと、だいたい5日で復旧するのが、どうして今回は結局2週間もかかるの?」
頭はいいのかもしれないが、バカな質問だ。それを分析するのは、記者の仕事だ。
なぜなら、東電が報告しているのは、現場から日々明らかにされる膨大な事象を、(被災地各地で暮らす人々には全く意味がないが、復旧でクソ忙しい時にわざわざ時間と人をかけて、本来モノを知らない素人の記者のために)分類/集計し、時系列的なコスト(日数)に置き換えて俯瞰的な情報に丸めただけで、過去の事例との比較など、そもそも東電の仕事じゃないからだ。
それから、どこかの記者が聞かれた。
「倒れた電柱や、倒木の本数とか、数字はありませんか?」
こんなものは「ない」と答えて終わりなのに、まだ分からない地域がある旨を暴露したうえで、まだ把握していない、という説明を返した。
これでは、分かったら報告しますと同義だ。つまり、その報告のために、新しい内容の報告義務という復旧以外の仕事を現場に押し付けた過ぎない。
広報は、そんな仕事を増やさないように、防波堤になってほしい。
16,000人体制に拡大して頑張るという議論もあった。
人数が増えても、車や機材などの武器にはたぶん限界があるから24時間体制になるよ、もしくは24時間体制を維持できる人数を準備したよということだと思う。頭が下がる思いになった。
一方、生活基盤という兵糧も確保しなくちゃいけないし、給与もあげなきゃいけない。さらに既存の調達部隊には経験したことない物量の兵糧確保になるから、結局、メーカーや問屋の言いなりとなり、単価は上がる。結果として流動資金の需要が急拡大することになる。
だから、社長は恥をネットに流すためのような会見には一切出ず、資金繰りとコスト管理をしっかりやってほしい。
東電の危機対応のまずさは、あの震災のときから変わっていなかった。
そして、電気復旧という問題とは別に、日本の大企業のお粗末さに驚愕した。