カフェを始めてからは常連さんも出来たりして徐々に知り合いが増えて行くのですが、最初の頃の知り合いは不動産屋さんと建築屋さんだけでした。
そんな時最初に知り合ったのが息子と同い年の青年、Nさんでした。
引っ越しの1ヶ月ほど前のこと、原宿で次女の勤め先が主催のちょっとしたイベントがあり、私もそれに出かけました。
そこで玄米のお弁当を売るお店の方と次女が知り合いで、次女はそこで私を紹介しました。
「母は来月北軽井沢へ引っ越すんですよ」と娘が言うと、
「北軽井沢のどの辺ですか?」
あの辺のことご存知なのかな?と思っていると
「黄色い屋根のちょっと変わった建物がありませんか?」
「ああ、たしかありました。うちの裏の方を少し行った所に」
「その建物の前の道を真っ直ぐ行った所に、今友達がペンションを建てているんですよ。ドーム型の建物です」
そう聞いていたので、引っ越しが落ち着いた頃に車で行ってみました。
(その頃は車にもかなり慣れていました)
途中両側は見渡す限りの畑。
その畑が終わった頃、林の中に突然丸い屋根のドーム型の建物が現れました。
ドアが開いていたので「こんにちはー!」と声をかけると、背の高い細身の青年が出て来ました。
自己紹介をすると、「ああ、聞いていますよ。よろしくお願いします」
「私、横浜から越して来たんですよ」
「僕も横浜です。S区です」
「あら、私もS区ですよ。K町です」
「え?僕もK町です!」
何と、聞けば同じ町の、歩いても行ける所にお互いに住んでいたことが分かりました。
年齢はうちの息子と同い年。お父さんは早くに亡くなり、お母さんと二人暮らしだったがそのお母さんも亡くなったので友人に家を譲って、中学生時代に筑波の科学博で見た時から夢に見ていたフラー博士のドームを建てているのだと。
彼もまた私と同じ一人っ子でした。
彼はまたUFOの研究家でもあり、食事は前から「長岡式酵素玄米」。キッチンには大きな保温ジャーが置いてありました。
しかも彼を紹介してくれた原宿で会った方のお店の名前は「オリーブ」。
場所はうちの長男と次女が通っていた区立中学のそぐそば。
私がK町で営んでいた店の名は「オリーブハウス」。
とても偶然とは思えない出会いに心底びっくりしました。
ドームの建物が出来上がると、東京で待機していた新婚の奥さんもやって来て、そこは「ドームパラダイス 太陽の子どもたち」というペンションになりました。
うちとは2キロくらい離れていましたが、互いに同じようなコンセプトでその後長い間親しくさせて頂きました。今でも健在のはずです。