私が高校2年生になった昭和26年(1951年)頃、麹町4丁目から市ヶ谷へ抜ける大通りに面したビルに高い鉄塔が建ち始めました。


私達の学校はその一本裏の通りにあります。

それは、日本で最初の民間テレビ局、日本テレビの鉄塔でした。
最初にテレビ放送を始めたのはNHK(日本放送協会)ですが、それに続いて日本テレビ、通称日テレが昭和28年(1953年)に放送を始めました。

(TBS「東京放送」、フジテレビがそれに続き、テレビ東京はかなり後でした)



と言っても一般家庭でテレビ放送を見られる時代ではありませんでした。何しろ受像機がサラリーマンの1年分の給料を使っても買えないくらい高価でしたから。


受像機が普及し始めるのは1955年以降の昭和30年代からで、そこから一気に日本はいわゆる高度成長期に入って行きました。



現在放映中の「徹子の部屋」で毎日顔を見せている黒柳徹子さんは、このNHKの最初の放送時代から活躍していらっしゃるわけですからスゴイ方だと思います。

銀座線1本しかなかった東京の地下鉄に丸の内線が加わって開通したのもこの頃。地下を走っていた車両が「四ツ谷」で地上に姿を現し、次の「赤坂見附」ではまた地下に潜るというのが珍しくてわざわざ見物に行ったものでした。

地下鉄はその後東西線、日比谷線、千代田線、半蔵門線などどんどん増え、更に都営線も増えたので東京の地下はかなり深い所まで網の目のように地下鉄が走っていることになります。
路線図を見ただけでは乗り換えが簡単そうですが、実際には思いがけず何十メートルも歩くことになったりするので、初めての路線は要注意です。

こうして徐々に戦後から回復して行く日本と共に私自身も成長して高校3年生となり、いよいよ受験期を迎えました。