突然、政府から来年度から学校の制度が変わるとのお達しがあったのは、小学校6年生の2学期の終わり頃のことだったと思います。



それまでは小学校までが義務教育で、それ以上の学校へ行きたい場合は男子なら中学校、女子なら女学校、共に5年制の学校を受験して進学することになっていました。

それが突然義務教育が、男女共学で3年間の中学校まで伸びることになり、受験せずとも誰でも進学出来ることになったのです。
そしてそれに続く3年制の新制高等学校というのも作られました。
いわゆる6・3・3制の発足です。

さあ、大変。

私立の中学校や女学校はそのまま高等学校まで伸ばして3年ごとに入学試験を行えばいいわけですが、公立で無料の中学校なんてものはなかったわけですから、急造の新制中学校があちこちに出来ました。



私が行くことになる中学もそれまでは男子だけの商業学校だったところ。近くの3か所の小学校の卒業生がそこへ通うことになりました。

その時まで、従来通りに入学試験を受けて、受かればそこの制服を着て電車通学を夢見ていた私も、無試験で行けて授業料もかからないとなれば選択の余地がありません。
自動的に定められた中学校へ通うこととなりました。

それは歩いて15分くらいのところにあり、家の近くの焼け出され組のモーニャンと一緒に毎日通うことになりました。

元が男子校で、しかも不良学校の評判も高い学校でしたから大変な所でした。
先ずトイレの落書きが凄まじかったです!

今の時代とは違う小学校6年生の女の子ですから何の知識もありません。
先生方も女の子が入って来ることが分かっているなら消しておけばいいものを、と今でこそ思いますが、気がまわらなかったんでしょうね。

私はハッキリ言ってそのトイレで完全な性教育を受けたと思っています。笑笑

休み時間に校庭で縄跳びをしたり、スカートを翻してゴム跳びなどしようものなら、教室の窓には上級生たちが鈴なりになってピー、ピー、と口笛が飛ぶ始末。
上級生は当然のことながら男子だけ。同級生も加わりますから圧倒的に数の上では男子優勢、女の子は私たちだけの少人数ですから、良い標的になってしまいます。

だんだん学校へ行くのがいやになって行きました。
学校への行き帰りにいつもモーニャンと愚痴の言い合いです。
やっぱり私立の女学校へ行きたかったなあ、でもお金のことを思うと親には言えないし等と、グチグチと。