2023年5月、息子が福岡県の我が家へやって来ました。
ついこの間まで、ずっと居場所を知られないようにしていた私としては信じられないような展開です。
高速バスの停留所まで迎えに行くと丁度バスが着いたところ。ごく自然に長身の息子が私の小さな軽自動車に乗って来ました。途中のホームセンターでこちらでの作業に必要な衣類その他を選び、私も買い物をして、これもごく自然に私が会計を済ませ車に戻りました。
10年間の時が消え去って、10年前の日にすぐつながったような錯覚を起こすくらい自然な流れにお互い無言のまま乗ってしまった、そんな感じでした。
家に着き、主人とはもちろん初対面。主人は持ち前の明るい笑顔で機嫌よく迎えてくれました。
ああ、息子はこういうタイプの年上の男性に早く出会っていれば違う人生があったろうに、と思えてなりません。
北軽井沢の家の斜め裏の、息子が最初にボランティアで草刈りをした土地の持ち主の方(京都在住の80代の方)がずっと彼に親切にしてくださり「何かあったらいつでも言って来るんだよ」と言ってくださっているとのこと。
その方との出会いがどれだけ彼を力づけてくださったことでしょう。
すぐに京都までお礼に伺おうとしたら、逆に私と息子を草津のお気に入りの宿に招待するからその時にお会いしましょう、とのお返事。
それで気になりながらまだお会いしていないのです。
その方の存在、そして彼の仕事ぶりに感心して管理会社に雇用を頼み込んでくださった近所の方、お弁当を持って庭に遊びに来てくださったり、花を植えに来てくださる方々。
その方たちのどなたにも私はまだお会いしていないのですが、こうした家族とは関係のないところで息子が作り上げた人々との関係、信頼感がどれだけ彼の救いとなったか分かりません。意識が変わるとこれまでとは違う人たちが集まって来る、というのは本当です。
お酒好きの主人の相手が出来ない下戸の息子でしたが、3泊する間にはすっかり打ち解けて、お互いにいろいろな話をしていました。
私とも夜遅くまでゆっくり話が出来ましたし、離婚前の暮らしのことになると「あの頃は大変だったよなぁ。子ども3人を育てながら締め切りに追われる仕事をして、よく頑張ってたと思うよ。奴隷みたいだったものなぁ」と言うのを聞いて、やっとわかってもらえた、と胸のつかえが取れた思いでした。
嬉しかったのは、大型犬がいるために全く旅行に出かけなくなってしまった主人が、「それじゃ、君がきれいにした場所をぜひ見に行かなきゃな」と言ったことです。
これはぜひ実現したいので、今年の秋の紅葉のきれいな時期に久しぶりの旅行を計画しようと思っています。
その前に8月には私一人での軽井沢行きを計画していますが。
そして去年息子との再会を知ってまた戻って来てくださった以前からの地元の友人たちとの再会も楽しみにしています。
本人や関係者のプライバシーもあり省いたところも多々ありますが、人は変わる、そして変われるということを記しておきたかったために書き始めたのですが、それでもかなり長くなってしまいました。
世間では孤独感から事件を起こす人たちも多い中で、病に苦しみながらもよくぞ立ち直ってくれたと、逃げてばかりだった意気地のない母としては今は息子に感謝をするばかりです。
拙い文章を長きにわたってお読み頂いた皆さま、ありがとうございました。
ついこの間まで、ずっと居場所を知られないようにしていた私としては信じられないような展開です。
高速バスの停留所まで迎えに行くと丁度バスが着いたところ。ごく自然に長身の息子が私の小さな軽自動車に乗って来ました。途中のホームセンターでこちらでの作業に必要な衣類その他を選び、私も買い物をして、これもごく自然に私が会計を済ませ車に戻りました。
10年間の時が消え去って、10年前の日にすぐつながったような錯覚を起こすくらい自然な流れにお互い無言のまま乗ってしまった、そんな感じでした。
家に着き、主人とはもちろん初対面。主人は持ち前の明るい笑顔で機嫌よく迎えてくれました。
ああ、息子はこういうタイプの年上の男性に早く出会っていれば違う人生があったろうに、と思えてなりません。
北軽井沢の家の斜め裏の、息子が最初にボランティアで草刈りをした土地の持ち主の方(京都在住の80代の方)がずっと彼に親切にしてくださり「何かあったらいつでも言って来るんだよ」と言ってくださっているとのこと。
その方との出会いがどれだけ彼を力づけてくださったことでしょう。
すぐに京都までお礼に伺おうとしたら、逆に私と息子を草津のお気に入りの宿に招待するからその時にお会いしましょう、とのお返事。
それで気になりながらまだお会いしていないのです。
その方の存在、そして彼の仕事ぶりに感心して管理会社に雇用を頼み込んでくださった近所の方、お弁当を持って庭に遊びに来てくださったり、花を植えに来てくださる方々。
その方たちのどなたにも私はまだお会いしていないのですが、こうした家族とは関係のないところで息子が作り上げた人々との関係、信頼感がどれだけ彼の救いとなったか分かりません。意識が変わるとこれまでとは違う人たちが集まって来る、というのは本当です。
お酒好きの主人の相手が出来ない下戸の息子でしたが、3泊する間にはすっかり打ち解けて、お互いにいろいろな話をしていました。
私とも夜遅くまでゆっくり話が出来ましたし、離婚前の暮らしのことになると「あの頃は大変だったよなぁ。子ども3人を育てながら締め切りに追われる仕事をして、よく頑張ってたと思うよ。奴隷みたいだったものなぁ」と言うのを聞いて、やっとわかってもらえた、と胸のつかえが取れた思いでした。
嬉しかったのは、大型犬がいるために全く旅行に出かけなくなってしまった主人が、「それじゃ、君がきれいにした場所をぜひ見に行かなきゃな」と言ったことです。
これはぜひ実現したいので、今年の秋の紅葉のきれいな時期に久しぶりの旅行を計画しようと思っています。
その前に8月には私一人での軽井沢行きを計画していますが。
そして去年息子との再会を知ってまた戻って来てくださった以前からの地元の友人たちとの再会も楽しみにしています。
本人や関係者のプライバシーもあり省いたところも多々ありますが、人は変わる、そして変われるということを記しておきたかったために書き始めたのですが、それでもかなり長くなってしまいました。
世間では孤独感から事件を起こす人たちも多い中で、病に苦しみながらもよくぞ立ち直ってくれたと、逃げてばかりだった意気地のない母としては今は息子に感謝をするばかりです。
拙い文章を長きにわたってお読み頂いた皆さま、ありがとうございました。