誰にでも手放しがたいものや思い出のもの、離れたくない家、故郷などあると思いますが、歳をとったら思い切って手放すことを学びましょう。

人の手を借りなければ生きて行けなくなったのに、「施設には入りたくない、死ぬまでこの家にいる」などと言って周囲を困らせる老人の話をよく耳にします。
私も84歳。まぎれもなく「老人」ですから言わせてもらいますが、それは単なる執着心かわがままで、ほめられたことではありません。むしろみっともない姿です。

自分のわがままを通したいなら誰の世話にもならず立派に自立して暮らしたらいいのです。それが出来ないなら出来るだけ世話をしてくれる人の負担にならないよう自分のわがままは抑えるべきではないでしょうか?
それが手放せないようならただ無駄に年をとって来ただけのつまらんじいさん、ばあさんに過ぎません。

歳を重ねるということはそれに見合った人格が備わっていなければ意味がないのです。

してもらえることに感謝して相手を思いやり、少しでも迷惑をかけないように生きる心構えを元気なうちから養っておいて初めて敬老の精神が生きて来るのだと思います。

周りの人たちも老人をあまり大事にしすぎてはいけません。どんどんこき使いなさい。あまり手を貸すと早く呆けてしまいます。身体を動かすこと、人の役に立っていると言う思い、それが老人を元気にするのですから。