わたしたちのおじいちゃんやおばあちゃんが、まだきっと赤ちゃんや小さかったわたしたちのお父さんやお母さんを育てていた時代。第二次世界大戦の渦中には、また、戦争の直前からも

「戦争反対!」

と言った人は警察に捕まった。

どうしても戦争をやりたかった、国家に不利益だったからだ。

「戦争反対と言ったら殺されるかもしれない」と思ったから、多くの人が戦争反対と言えなかった。


結果どれだけの人が死んだか。

オンラインリアルタイムでそこに生きていなくても、今を生きる私達でさえ

色々な手段で知り、学べることは数え切れずある。


今の今、特定秘密保護法案が審議されている。

審議案で特定機密に指定される分野は4つで

1)防衛 2)外交 3)特定有害活動 4)テロ防止。


私は学も知名度も別にないど素人の一市民として思うのだけど、

1)、2)、4)

法案を作ろうが作るまいが原子力発電所を本当に悪意を持って誰かが攻撃したとしたら終わりだよ。

3)特定有害活動。

多くの人が指摘しているが、これのふり幅が流動的にコロコロ変わったら

もしくは政府の得意の「段階的に、何年かをかけて」変わったら

私達の表現の自由なんか終わりだ。

「人と会話をする自由」だって終わりだ。

それに極論、

「こんなに人が一ヶ所に多く集まる所にはテロリストが紛れ込む可能性があります。

国民の安全を万が一の危機管理に備えなければということを考えると、

許可できません」

と言えばいいんだ。

「でも政府としてはみなさまのご意見も出来る限り尊重したいので、

1000人以下の集まりでしたらいいですよ」

となるかも知れない。

3年後には段階的に「より国家の安全安心に備えて」

「500人以下の集まりなら」

「100人以下の集まりなら」

となるかも知れない。

5年後には

「内容の検閲」が入るかもしれない。

デモも、音楽ライブでも、演劇舞台でも、セミナーでも、映画の試写会なんかでもね。


そして、ものすごく驚き、憤ったのがこの記事↓

http://mainichi.jp/select/news/20131203k0000m010092000c.html

秘密保護法案:「照会受けた病院に通院歴など回答義務」。

国家公務員さんの中にだって(議員さんとかでも)

通院してる人や、人生で1回や2回心労で胃が痛くなって精神科に係った人だっているでしょう?


私は今年、メンタル心理カウンセラーの資格を、自分が勉強を深めたくて取った。

その中で、心理カウンセラーは医者ではないが

「患者さんとカウンセラーが喋ったことの守秘義務は絶対!」である。

第一番に守るべきことで、これを犯すなら、患者さんとカウンセラーの

「信頼関係」は絶対に成り立たない。


それに、医者対患者だけじゃなく

「この人に本音を話しても、自分のいないところで知らない人に勝手に

喋られちゃうかもしれない」

と思う相手には、人はぜったいに心を開くことはない。

これは、人対人の関係性に置ける「会話」の「終わり」である。

正真正銘の、人が生きる喜びとともに生きられる社会の終わり。


だいたい「何が特定秘密かは秘密です」なんて、そんな話があろうか。

「誰に何を言えば、『あの人はスパイかもしれないよ?』と言われるのか… …」

と、常に怯えながら、国民が生きているなんぞ、

民主主義社会の構築に、なっとらんじゃん?

ねえ?


おじいちゃんとおばあちゃんたちの時代は

「戦争反対」と言ったら

洋楽を歌ったら

英語をしゃべったら

「私達は戦争に本当はもう負ける」と言ったら

ピアノを「いろはーにーほーへーと」じゃなくって

「ドレミファソラシドー」と弾いたら

「わたしにはアメリカ人の友達がいるのよ?」と言ったら


「非国民」「国賊」「スパイに違いない」と、牢屋に入れられて、

近所中に無視されたり

死ぬほど殴られたり

本当に殺されたりした。


今は何だい?

「国は震災後に放射生物質の拡散予測を隠したんだよ、

外国では開示したのに」という本を書いたら?

デモの為に皆で集まったら?

「福島県で甲状腺がんになった子供が11月に25人になったんだよ」

と言ったら?

特定秘密(何が秘密か私達は今知らないんだぜ?)をうまく使って

「あの人は国の安全安心に不利益を与える非国民かもしれないよ?

スパイかもしれないよ?」

と、言われるのかしら。


私達国民が恐ろしいのは、

国民の誰かではなく、法案を通そうとしている政府の一部の人達です。


今政治は、国民主権から、政府主権になるかならぬかの瀬戸際にある。

わたし程度のバカでもわかる。

このくらいのこと。


今「国民に恐怖を与えている」のは国民ではなく政府です。

言葉の圧殺は、心の圧殺だ。

『心と言葉が抑圧された世界』を生きるのは嫌だから、

私は特定秘密保護法案に反対します。


震災直後、情報統制で、原発事故の爆発の瞬間の映像も、

風向きの予測も、「他の国々は出していたのに、日本だけが出してなかった」ことを

私達はこんなに早く忘れてはいない。

「国民を不安にさせないように」って

「だから嘘でも大丈夫って言っとこう」って

そういう風に、軽んじられたことを、忘れてないよ?

まだ。