だれにもほとんど告知しないで


東京のコンクリートの壁に


映された息をする影は


未来へと足を踏ん張る一本の松の木でした


だれもかれも忘れようとも


わたしだけは忘れまい


だれもかれも振り向かずとも


わたしだけは見逃すまい


そんなふうにだけ人は


人とつながっていられるのほんとうは


もうだいじょうぶことばなんか話さなくとも


そのくらいの信頼でいた人を


波が連れて行ってしまっても


わたしだけは忘れまい


このさざ波が波紋になって


あの松の木の上の月


あのまぁるい明かりにさえ届く日を


よもやどこへいても見逃すまい



ほとんどだれにも告知しないで


気まぐれで居合わせた人が見た


東京の八方がコンクリートだけの壁の


小さな劇場は船のよう


ああこんな殺風景な場所が


霧に濡れた森のように見えるのだわ


そのように摩訶不思議を作る役を


できる人は そこ 降りてはいけないのだわ



だれもにある


命がけの恒久の祈り



躍動をする僕たちを ゆめうつつに 松の木が見ている



ひとりで立つ



でもいつかつながってゆく



僕らは船



守るべき誰かを乗せる



水の星 小さな島の上に生きている




★この作詩たちは、だっことサポーターたちの約8年間のライブステージや日常風景と詩をまとめた詩写真集制作出版のため、寄付をあつめておりますサイトだっこプロジェクトのご寄附のお願いとしてチャレンジ登録いたしましたファンドレイシングサイト<just Giving>の「チャレンジ」の一貫で書いております。
宜しければ、写真詩集出版に向けて、皆様のご支援を何卒よろしくお願い致します☆
出版についての詳細は「だっこプロジェクト」まで。http://www3.to/daccoproect