ウッディ・アレン監督のエキストラ 残り物には福があるin サンセバスティアン | スペインバスクのチョコレート屋からLA PEÑA DULCE

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昨日は第3回目のウッディ・アレン監督のエキストラの日でした。

いつもセキュリティーの都合で前日の夜に撮影場所が通知されます。

これが期待と不安でなかなかドキドキするんです。

既に3回目の撮影なので、仲良しのエキストラさんの方も居て、久しぶりの再会に話が弾みます。

今回の撮影場所はサンセバスティアン旧市街にあるSan Telmo美術館内のSan Telmo教会とサンセバズティアンの某ジャズバー。

San Telmo教会内にはバルセロナ生まれのJosé María Sert Badía が描いた見事な壁画があります。

この場所に入った瞬間、あまりの壁画と照明の絶妙なロマンチックさにうっとり、暫しウッディ・アレン監督の世界に浸れました。

↑Museo San Telmo   ウキペディアより
 
San Telmo教会内へ、衣装とヘアメイクをしたエキストラの皆さんが、ぞろぞろ入って行きました。

教会の中心部で私は大勢のエキストラと配置待ちをしていました。

1人2人と教会内の各所へ配置されるエキストラの皆さん。

そして、一向に配置されない、私と2人の男性。

私と2人の男性は最後まで配置されず、あんなに沢山いたエキストラ達は散り散り離れ、まるで孤立した3人だけの島。

1人の男性は、俺たち配置されないよな、とポツリ…愚痴をこぼしました。

その時、スタッフの方が私達に、一言

「そこの3人でお話するように!」

そして、その場に居るように言われました。

あのぉ…最初からその場に居ただけなんですが…皆さんが居なくなっただけなんですが…

このだだっ広い教会のホールで、その後本物の4人の役者がやって来ました、なんと私達の右側に女優2人、そして左側に男優2名。

えー!!なんで?冷蔵庫の中の余り物の忘れられたチーズみたいな私達の孤島に?

そして、2人の女優さんは撮影が始まると、更に私達の方へぐんぐん歩いて近づいて来るのです。


私達3人はてっきり、教会の前方、壁画近くで撮影されると思っていたので、びっくり。

よく見るとカメラマンが目の前の移動式の椅子に乗って構えていました。

いきなりここがこのシーンの撮影の中心部に!?残り物には福がある!とは、本当です。

単に残っていただけなんです、残り物のチーズなんです、私達3人真顔キラキラしょんぼり

前回の鳥フン攻撃のご利益がまだまだ続いているの?

↑Diario vascoより

役者達がウッディ・アレン監督指導の元、30回以上も撮り直しがあり、何度も何度も私の前、後ろをウッディ・アレン監督が役者への指導の為に、通過します。

3人組の内の1人の男性はおっとりさんで何度もウッディ・アレン監督に気付かず、ぶつかりそうになっていました。ポーン

私はハラハラドキドキ。足でも踏んだらどうするのよ…びっくり

私達3人にはワイングラスが配られ、グラスを片手にミミカ(声を出さずに身振りで演技)を3人でするようにスタッフから依頼されました。

ウッディ・アレン監督が役者達に指導するあの小声の英語もしっかり聞こえる至近距離でした。

更に、撮影はなかなか上手くいかず、役者があまりのやり直しの多さに、キレていました。

巨匠ウッディ・アレン監督にもキレるんだ…と、私は衝撃を覚えましたよ。

まぁ、仕方ないですね、短いシーンの繰り返しでしたから、役者さんも繰り返しのセリフにストレスが溜まりますよね。

丁寧に本当に丁寧に1シーン、1シーンを撮影するウッディ・アレン監督の作品への思いを間近で感じました。

一方、私達残り物3人組は、もっとやれー、もっとやれー、と、長ければ長いほどウッディ・アレン監督を間近で見られるので、大喜び。ラブほっこりぶー

後で色々2人とお話したら、この二人もかなりツウなウッディ・アレン監督のファンで、作品について休憩時間語らい、すごく団結してしまい、連絡先まで交換してしまいました。

続く…























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