中野 成将(なかのしげまさ)が2011年2月に
ニューヨークに渡り、芸術家ビザで8年間を
過ごし2019年3月にハワイに渡り、
現在に至るまでの数々の出来事、物語を
綴っています。
このコラムは隔週金曜日にハワイの
コミュニティー新聞 日刊サンに
連載されています。
私が知ったのは三回めの連載からです。
兄弟に文才誉められて、
さらっと書けちゃうんだ。
って言ってました🤭
ニューヨークに行って音楽を
やってみたいと思う方の後押しに
なればと思います。
ハワイに行ったら是非町中の
何処にでも置いてある
コミュニティー新聞
日刊サンをお手にとってみてください🤭
偶然にもシゲマサの愛犬、
ニューヨークに連れていった
イングリッシュセッターの名前は
サンちゃん
私がニューヨークに連れていって
四年後の昨年冬にシゲマサの腕の中で
亡くなりました。
Vol1
ストリートからカーネギーホールへの道。
2011年日本からNYに渡った私は、地下鉄で歌い始めました。
42St Times Square、当時この駅が好きで毎日歌っていました。あれは渡米してすぐの春の日、あの日のことは生涯忘れないでしょう、私はあの日少しのんびりしてお昼過ぎから歌い始めました。
歌い始めると同時にかわいい黒人の3人兄弟が話しかけて来てくれ、ちょっとギターを教えたりしてキャッキャしてストリートパフォーマンスを楽しんでいました。
そんな和やかな, なんだかいい雰囲気で始まった1日でした。1時間くらい歌った頃でしょうか、
『はいどうも~、ここで音楽しちゃダメ!さっさと移動しなさいー』と警察2名が現れました。『Yes!!』と言いつつも当時日本から来たばかりの若造の私は完全に警察をナメていました。
彼らがいなくなり少し経ってからまたシレーっと演奏を始めてしまいました。
あの日はイースターも近い週末とあって皆さん気前が良く、たくさんチップが入っていました。短い時間で沢山稼いで帰れそうです。さてそろそろ最後の曲にしよう。と演奏を始めた時悪夢が起こったのです。
そう、先ほどの警察が戻ってきました!!!
『しまった!!』そう思った時にはもう手遅れ逃げ場はありません。
以下は警官とのやりとりです
Police『パスポートみせて』
私『家にあります』
Police『今から逮捕します。』
『はいはい!!逮捕ね!!OK!!あれ、、、、、、え!?ええ!!??
タ、、タタタイホ!!!!????』
ちょっとビックリしすぎて頭がパニックです。今までのNYの生活が走馬灯の様に蘇りました。
短かったけれど素晴らしい日々、楽しかったなー。もう強制送還か。
あの時、悲しいというより日本帰って何しようかな??と、もうそちらを心配していました。。田舎に土地かってのんびり暮らそうか、、、、
すると、さっきまで音楽を聴いてくれていた2人の若いお姉さんが
『ちょっっと!!なんでそんな事すんのよ!凄い感じ悪いわねあんた達!!彼歌ってるだけでしょ!!』と
警官に食って掛かるじゃありませんか!!なんてかっこいい!!!!すると警官も『こっちもやりたくてやってんじゃないんだよ!!』あの時は”二人とも私の為に喧嘩は止めてーー!!”と言う気持ちでした笑
それから色々と質問され、結局最後には『今日金曜日だし捕まりたくないだろ?OK!早く帰って。』
となりました。嬉しかった!!心の底から。恐怖の強制送還なし!!
でもNYの警察は怖かったしかなり落ち込みました。ブツブツ言いながらしょぼしょぼと後片付けです。
「いんだよいんだよ、、、どうせおれなんて、、、、」とその時、さっきのお姉さんが周りの人たちからお金を集めて『元気出してね!素敵な音楽をありがとう』とチップを渡してくれたんです。ちょっとあまりの優しさにビックリしすぎてしまい。またまた。ボーゼンとしてしまいました。
『一度注意されたら場所変えれば大丈夫だから。』去り際に意味不明のルールを警察に教えて貰ったけど、来週からまたここに来る度胸があるか、、、その時自分の根性が試された気持ちでした。
NYへ渡ったとき心に決めたのは後悔のない人生を送ること。その初心を思い出し僕はギターを抱えその次の週も、またその 次の週も地下鉄で歌ったのでした。(続く)
