前期の行50日が終わった時、
ご住職の奥さまから
「中野さんはお寺の奥さんでも
ないのに僧侶の資格を取って
どうするの?」と聞かれました。
真剣に行をしていると不思議な
ことに遭遇します。
不思議な映像が浮かんでくるん
ですね。
その中の一つ。
珈琲カンタータの映像が浮かび
何もない筈のお店の入り口に
向かって道路から手を合わせる
人が何人もいるのです。
その事を奥さまにお話ししたら
「じゃあ、仏様が必要ね。」
「この間蔵を掃除していたら
立派なお不動さまが出てきたの。
今、和室にあるから見てみる?」
と言われ、私はお不動さまは
怖そうなお顔してるし、
出来るなら観音様とか阿弥陀様が
良いなと思いました。
奥さまは「お不動さまはね、
頭に蓮のはなを載せていて、
と言うことは泥の中にご自身の
身を沈め、煩悩で苦しんでいる
私たちを悪いものが近づかない
ように
右の剣を振りかざし、
左の羂索(けんさく)で泥中て
もがいている私たち衆生を
救い上げて下さる慈悲の仏様なのよ。」と話されました。
それを聞いて一気にお不動さまを
好きになり、お座敷に置いてある
お不動さまとご対面することに
しました。
一目惚れ。
美少年の様であり、
す~っと
青嵐の様な風がサァ~っと
吹いているような気がしました。
「中野さんならちゃんと
拝んでくださるでしょうから
ご住職も差し上げて良いって
云うと思うわ。」と言われましたが、
ただ頂くというわけにはいかないし、少しはお布施もしたいし、
何よりお店のデッキも直さないと
ならないし、他にも直さなければ
ならないところがあって、
それには⚪⚪⚪万円は必要だし。
とその時に思いました。
「まだ半分しか行が済んで
いませんし、後期の行が済んで
、その時にまだ何処にもお不動様
が行っていなければ考えます。」
とお答えしました。
そうして4年生の4月になり
研修に、勉強に、卒論の準備にと
またまた忙しい日々が始まりました。