春の花は枝の下に落ち


秋の露は葉の前に沈む、



逝水住まること能はず(せいすいとどまることあたはず)



廻風幾か声を吐く。(かいふういくたびかこえをはく)


   弘法大師空海著

     『三教指帰巻下・十韻の詩』より







   寒い冬を乗り越えて


  やっと咲いた春の花がたちまち枝の下に散り敷かれ、



   秋の露がたちまち葉の先に消える



   流水が止まることはなく



   突風はたちまち吹き去るが如く



   この世は儚く無常である



     ( 誰が見ているとも知らない1本の草花も



      その命をただ一心に咲かせているんですね



      人も ただただ素直に生きよ、という声が聞こえてきます)