まさか、輝がバーチャルでやっている動画配信が佑樹にバレていただなんて。これには驚いた。
「そういえばくじら小僧さんって、動画のコメントに丁寧に返信していますよね。ボクにはそこまでできていなかったなぁ」
「あたしもちゃんと動画コメントに返してるんだよー。でも、佑樹からのアドバイスでアンチコメントは放置しているけどね。あたし、つい喧嘩腰になっちゃうからさ。佑樹はアンチコメントにも丁寧に『ありがとうございます』って言えるからすごいよね」
輝はあらためて佑樹のすごさを感じた。だからあんなにファンが多いんだ。
「で、話を戻そう。輝くんはヒーローになりたい。これがシェリー・ブレンドが教えてくれたことなんだね」
「はい。それは間違いないと思います」
「じゃぁ、これからどんなことをすればヒーローになれるのか、それを考えてみようよ」
「どんなことを、ですか？今のままじゃヒーローになれないってことですか？」
「そうは言っていないよ。今のやり方で正しいかも知れないし、ひょっとしたらもっといい方法があるかもしれない。それをまたシェリー・ブレンドに尋ねてみるといい」
そう言われて輝はあらためてコーヒーカップを眺めて考えた。
〜おしらせ〜
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