Cafe Shelly next 第46話 あたいらだから その29 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 佑樹はだまってさちの言葉にうなずきながら話を聴いた。さちも自分の思いを言葉にするたびに、不安が消えていくのが感じられた。

 

 そうしていると、のりこがコーヒーを持ってやってきた。

 

「お待たせしました、シェリー・ブレンドです。どんな味がしたか教えてね」

 

 早速カップを手に取る二人。そして同時に口にする。

 

「んっ!?」

 

 さちがなにかに気づいたようだ。

 

「さちさん、どんな味がしたんですか?」

 

 佑樹が尋ねると、さちは佑樹の顔とシェリー・ブレンドを交互に見た。

 

「あのさ、あんたこのコーヒーであの謝罪を思いついたって言ったよね」

 

「うん、そうだよ」

 

「たぶんそれと同じことが頭に浮かんだんだ。というより、あんたの謝罪の動画が頭に浮かんだ。つまり、あたいらもきちんと見ている人たちに謝罪をしろってことかな?」

 

「さちさんがそう思うのであればそうじゃないかな」

 

 さちはしばらく宙を眺めて、そして決断をした。

 

「よし、わかった。あたいらは佑樹、あんたに対してきちんと謝罪をする。そして見てくれているみんなにも。自分の気持ちをスッキリさせるためにもね。これ、手伝ってくれるかな?」

 

「もちろん、実はぼくもこれを飲んで同じことが頭に浮かんだんだ」

 

〜おしらせ〜
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