佑樹はだまってさちの言葉にうなずきながら話を聴いた。さちも自分の思いを言葉にするたびに、不安が消えていくのが感じられた。
そうしていると、のりこがコーヒーを持ってやってきた。
「お待たせしました、シェリー・ブレンドです。どんな味がしたか教えてね」
早速カップを手に取る二人。そして同時に口にする。
「んっ!?」
さちがなにかに気づいたようだ。
「さちさん、どんな味がしたんですか?」
佑樹が尋ねると、さちは佑樹の顔とシェリー・ブレンドを交互に見た。
「あのさ、あんたこのコーヒーであの謝罪を思いついたって言ったよね」
「うん、そうだよ」
「たぶんそれと同じことが頭に浮かんだんだ。というより、あんたの謝罪の動画が頭に浮かんだ。つまり、あたいらもきちんと見ている人たちに謝罪をしろってことかな?」
「さちさんがそう思うのであればそうじゃないかな」
さちはしばらく宙を眺めて、そして決断をした。
「よし、わかった。あたいらは佑樹、あんたに対してきちんと謝罪をする。そして見てくれているみんなにも。自分の気持ちをスッキリさせるためにもね。これ、手伝ってくれるかな?」
「もちろん、実はぼくもこれを飲んで同じことが頭に浮かんだんだ」
〜おしらせ〜
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