Cafe Shelly next 第21話 気になるあの子 その27 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 マスターの言葉に納得した若松はシェリー・ブレンドを注文。コーヒーが来る間、若松の頭の中は岩下のことでいっぱいだった。

 

「お待たせしました。シェリー・ブレンドです」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 そしてシェリー・ブレンドを口に含んだそのとき、若松の頭の中である光景が広がっていた。

 

「えっ、な、なんで?」
 

「どうしましたか?どんな味がしたんですか?」
 

「あ、いやぁ。この前ここで飲んだときに見た、あの光景と全く同じものだったんです。青い海と青い空が広がる。そんな光景が頭に浮かんだんです」
 

「なるほど。あのときは今までにない広い世界へ飛び込んでみたい。そういう願望でしたよね」
 

「ってことは、岩下さんとのことでも同じって意味ですか?」
 

 あらためてこれからの恋愛のことを考える若松。その会話の中でマスターはこれから若松がとるべき行動として、まず何から始めるべきかの答えを促していた。その答えを再びシェリー・ブレンドに頼る若松。

 

「そうか、勇気を持って一歩を踏み出す。それが必要なんだ」
 

 そこまで気づきながらも、その一歩がなかなか踏み出せない若松であった。その様子にマスターもどうすればいいのかわからなくなってきたようである。

 

〜おしらせ〜
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