Cafe Shelly next 第20話 その一歩が その23 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 このとき若松は一つ確実なことがわかった。それは自分の岩下に対しての気持ちである。

 

「でも、こんなボクじゃ岩下さんには釣り合わないよなぁ」

 

 翌日、若松はカフェ・シェリーに来ていた。若松も岩下と同様、有給消化として会社を休んでいた。といっても何をするアテもないので、ついここに来てしまったのだ。

 

「若松さん、でしたよね。何かお悩みでも?」

 

 マスターが落ち込んでいる若松の様子を見て語りかける。

 

「はぁ。会社はなんとか辞める方向に向いたんですけど。でも、岩下さんはバリバリのキャリアウーマンだし。今みたいな中途半端なボクなんて不釣り合いなんだろうなぁ」

 

 若松の目はどこを見るというわけでもなく、ぼーっとしている。

 

「恋の悩みですか。そういうことなら、やはりシェリー・ブレンドに答えを聞いてみるのがいいですよ」

 

「シェリー・ブレンドに?」

 

「はい。今までも恋の悩みに対して多くの方がシェリー・ブレンドのおかげで何らかの解決に向かっていますから。ぜひお試し下さい」

 

「まぁ、今日はシェリー・ブレンドを飲もうとは思っていたから。じゃぁお願いします」

 

「かしこまりました」

 

 その後も焦点の定まらない目で宙を見ている若松であった。

 

〜おしらせ〜
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