筆頭株主になった息子は、当然のごとく自分が社長になるのだということで勝手に会社を引き継ぐ形になり今に至る。
この三代目の新社長、とにかく評判が悪い。先代が今まで築き上げてきたものをことごとく無視し、取引先に圧力をかけてみたり、新規取引先を勝手に見つけて契約したり。そのせいで現場は大混乱を起こしている。
そんなさなか、大箱が三代目のターゲットとなってしまったのだ。それはどうしてか?
大箱は販売企画の仕事を行っていた。販売企画とは卸売先のお土産売り場や大手スーパーに自社商品を売り込みに行く役割を担っている。また、次にどんな商品を目玉にしようかというキャンペーンなどの企画も実施している。
大箱は特にそのための企画立案と資料作りを二人の部下と一緒に行っていた。そのうちの一人、三宅が実はこの三代目社長の同級生であり、その口利きで入社してきた人物である。
三宅はこの大箱のことを邪魔に思っている。自分ならもっといい仕事ができるはずだと自負しているところがある。そのため、いつも大箱と口論している。また、同級生である社長から
「この会社の商品を売り込みに行けるよう、大箱に伝えておけ」
というような指示を出されていた。
〜おしらせ〜
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