「丸みを帯びたって、ジイさん、何いやらしい目であたいらを見てんだよ!」
バシッ
ちはるは桜島の背中を一発平手で叩く。もちろん、桜島はいやらしい目で彼女らを見ていたわけではなく、性格のことを言ったまでである。このことはちはるもわかっているのだが、ジョークとしてそれを受け止めたまでのこと。
場は笑いに包まれた。そしてちはるたち三人は自分たちの進むべき道、やるべきことが見えてきた。そんな一時だった。
「さぁて、そろそろ帰るとするか。じいさん、コーヒーごちそうさま」
「うむ、気をつけて帰るんじゃぞ。ワシはもうしばらくここにおるからの」
「この喫茶店も気に入ったよ。マスター、店員さん、また来るね」
カラン・コロン・カラン
手を振りながら店を出ていく三人。
「なかなかにぎやかな三人でしたね」
彼女らが帰った後、店に残った桜島にのりこが話しかける。
「うむ、最初に道端で出会ったときには全身から怒りのオーラが出ておったからのぉ。おせっかいじゃが、あのままでは何かしでかすかもしれんと思ってここに誘ってみたのじゃ。それにしても、マスターが変わっておるとは知らんかったな。羽賀のやつ、ワシには何も言ってくれんのじゃから」
〜おしらせ〜
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