ちあきのその言葉に、ちはるとみちかはニヤリと笑う。そして二人とも同じものを指差す。ちあきもその指差した方向に視線を向ける。それはちあきのコーヒーカップ。
「あ、そうか。こういうときにこそこのコーヒーを飲めばいいんだ」
ちあきは早速シェリー・ブレンドに口をつける。またまた周りがその様子を見つめる。
「あれっ、やっぱさっきとおんなじ味だ」
ちあきの反応は意外なものであった。
「さっきと同じってことは、やっぱお前白馬に乗った王子様を追いかけたいってことなんだな。いいじゃねぇか、それで」
「でも、どうしたら王子様を見つけることができるんだ?」
「まだコーヒー残ってるじゃねぇか。それをそいつで見つけるんだよ」
姉のちはるに促されて、ちあきは残ったシェリー・ブレンドに三度口をつける。
「えっ、なにこれ?」
「どうした、何かわかったか?」
「どうしたって、なんで滝に打たれるイメージが湧いてくるんだ?あたい、修行僧にでもなれってこと?」
「なるほど、修行僧か。それもおもしろいかもしれんのぉ」
「じいさん、そりゃねぇぜ」
「いいじゃん、ちあきは滝にでも打たれねぇと成長しねぇってことなんだろう」
「みちか、他人事だと思いやがって」
〜おしらせ〜
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