Cafe Shelly next 第9話 私のほうが その19 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「妃美子さん、すごいですね。そこまで人の心理を読めるなんて」

 

「いえ、すごいのはこのシェリー・ブレンドです。そんな答まで一瞬で引き出してくれるのですから。さらにすごいのは、こんな魔法のコーヒーを淹れてくれるマスターですよ。それこそ、まさに魔法使いじゃないですか」

 

「そう言われるとうれしいですね」

 

 この二人の会話に、のりこが参入してきた。

 

「今のお二人の会話を聞いていると、マウント取りの逆だって感じましたよ。お互いにお互いを讃えあえる、そんな関係って傍から見ていても素晴らしいなって思います」

 

「そうなんですよ。私も本当なら綺咲とそんな関係でいたいんですけど。綺咲は人のことを褒めるっていうのをしないから」

 

「だったら、妃美子さんがまずは褒めてあげるのはいかがですか?」

 

「えっ、私から綺咲を褒める?」

 

 のりこからそう言われて、妃美子はちょっと考え込んでしまった。

 

「そう言われると、私も綺咲のことを褒めるなんてしていなかった。だから綺咲はもっと自分のことを褒めてもらいたくて、自分のほうができる人間なんだぞってアピールするために、マウントを取りに行っている。そう言われるとそうだよなぁ…」

 

「じゃぁ、私から提案!」

 

〜おしらせ〜
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