「ど、どういうこと?」
「だからぁ、神のご利益を得るためには、周りへの感謝の気持を持たないと。持つだけじゃダメ、それをしっかりと相手に伝えること。そして自分ができることを周りの人に与えていく。これが神のご利益を得るために必要なことなんだって、このコーヒーが教えてくれたの」
「麻祐子さん、すごいですね。まさに神が麻祐子さんを通じて、私達に大切なことを教えてくれている。そんな感じがしましたよ」
マスターがカップを磨きながら、麻祐子の言葉に感心していた。
「だから、神社にはご利益をいただいたお礼をしにいく。そういうことですよね」
「はい」
「えっ、それって雅臣がいつも言ってることじゃん。もちろん、神様ありがとうございますってお礼を言ってから、私の願い事を言ってたけど」
「深雪、それでいいのよ。まずは感謝を伝える。それが神と通じるスイッチを入れることになるんだから」
「でもさ、麻祐子はお守りをいっぱいぶらさげてるじゃない。これは神のご利益を得たいからじゃないの?」
「あぁ、これ。これは単に私のコレクション。お守りをぶら下げているだけでご利益をいただけるなんて、都合のいいことがおきるなんてことはないわよ」
〜おしらせ〜
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