「ところで麻祐子、神様っていないって知ってる?」
突然、自慢気にそう言い出す深雪。
「えっ、どうして?だって今までずっと神様にお祈りしてきたじゃない。それにさっきだって神様からのご利益の話をしたばかりなのに」
「へへーん。実は、私達が頭の中でイメージしているような、人の形をした神様っていないんだよ。でも、神はいるんだ」
深雪はさきほどマスターから教えてもらった知識を披露したくてうずうずしていたようだ。が、麻祐子の反応は意外なものだった。
「あ、それならわかる。だって、神ってサムシンググレートと言われている、なんだかよくわからないけれど確実に存在するっていうものだもんね。この世の中は、サムシンググレートという偉大なる何かによって司られているってことでしょ」
「えっ、麻祐子、それ知ってたの?それに、サムシンググレートって何?」
「へへーん。前に本を読んだことがあるの。それ以来、私は神様ってそういうものだって感じてたの」
深雪は自分の知識よりも先に進んでいる麻祐子に驚いた。
「深雪さーん、残念でしたー。せっかくマスターから教えてもらったのにねー」
隆史が深雪をちょっとだけおちょくるような口調でそう言う。
〜おしらせ〜
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