「は、はぁ…」
今までの勢いはどこへやら。信一は急におとなしくなってしまった。
「おいおい、このにいちゃん大丈夫なのかよ?あんたがしっかりと設計をしてくれねぇと、うちの会社の信用にも関わるんだからよ。うちはこう見えても、親切丁寧な建設会社としてやってるんだから。しっかりしてくれよ!」
結城はそう言いながら信一の背中をバシバシ叩く。
「結城さん、念の為お聞きしますが。今回の設計の仕事、うちの香坂が何かミスでもしでかしたらどうなりますか?」
「なにぃ、ミスだぁ?最初からそんなこと心配させようってのか?」
「いえいえ、そんなことはありません。もし、万が一って場合はどうなるのか、それを念の為お聞きしたいだけですから」
「そりゃ、ミスをしたら責任持って指でも詰めてもらうしかねぇよなぁ」
そう言いながら結城は信一の顔を下から見上げるようにして睨む。信一はその結城の態度にビクビクするだけである。
「まぁ、おたくも信用第一だから、そんなこたぁねぇだろうけどよ。わっはっは!」
大声で笑う結城。その勢いにさらにビクつく信一。ちょうどそのときである。
「お待たせしました。シェリー・ブレンドです」
のりこがコーヒーを運んできた。
〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーはこちらで読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/