Cafe Shelly next 第5話 貯金はいかほど? その31 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 飯山さん、熱心にマスターの言葉に耳を傾けている。そして、当然ながらシェリー・ブレンドを注文する。一見すると当たり前の流れのように思えるけれど、飯山さんを観察すると何かが違う。

 

 ここでわかった。飯山さん、必ず相手に対して興味関心を持っていることが伝わってくる。だから話す側も熱が入って語ってしまう。それが相手に対しての信頼貯金につながるんだ。

 

「飯山さん、今日はありがとう」

 

 シェリー・ブレンドを飲んでマスターとも一通り話が終わって、私は飯山さんにお礼を伝えた。

 

「えっ、何、突然。こちらこそこんな素敵なお店に連れてきてもらってありがとう」

 

 キョトンとしながらもそう言う飯山さん。

 

「私ね、飯山さんみたいになりたかったの。みんなから信頼されるような人に。そしてこのお店をさゆりさんから紹介されて、どうすればいいのかに気づいたの。今もシェリー・ブレンドを飲んで、飯山さんにお礼を言わなきゃって、そう感じたの」

 

「私みたいに?なんだか照れちゃうな。私こそ、さくらさんがうらやましいわ」

 

 こんな一言が信頼貯金を高めてくれるんだ。私もまだまだだな。

 

 これからもみんなの信頼貯金を高められるよう、もっと頑張っていかなきゃ。

 

<Cafe Shelly next 第5話 完>

 

〜おしらせ〜
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