Cafe Shelly next 第5話 貯金はいかほど? その5 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「でも、キリマンジャロなんてあるじゃない。こういうの滅多に飲めないから。私、こっちをもらうわ。すいませーん」

 

 このとき、さゆりさんが一瞬ムッとした顔をした気がしたが、私が何を飲もうが好きにさせて欲しいと思っている。なので気にしないことにした。

 

「で、話ってなに?」

 

「じゃぁ、本題に入るね。こういうことを面と向かって言うのもなんなんだけど、さくらさん、どうして周りと協調しようとしないの?」

 

「協調?なんのこと?」

 

「この前の子供会の役員会のことよ。飯山さんの意見に真っ向から反対していたじゃない。せっかくみんなの意見がまとまりそうだったのに」

 

「えぇっ、あのこと?じゃぁ逆に聞くけど、どうしてみんなあのボスママの言いなりになっているわけ?」

 

「どうしてって、別に言いなりになっているわけじゃないわよ。飯山さんの意見がもっともだって思ったから賛同しただけよ」

 

「でもさ、万が一感染者が出たらどうするのよ?」

 

「そこはきちんと安全に配慮して実施するって言ってたじゃない。それに…」

 

「でも、事態は緊迫しているんだよ。むしろ世の中の動きのほうが私の意見が正しいと言っているようなものじゃない」

 

 さゆりさん、またムッとしている。

 

〜おしらせ〜
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