Cafe Shelly next 第4話 10日間の恋 その25 | 【小説】Cafe Shelly next

【小説】Cafe Shelly next

喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 二人の恋の行方、それは誰にもわからないもの。そう、当の二人にもそれはわからなかった。

 

 だが、週を明けて火曜日に、それは突然訪れた。

 

「ひろさん、短い間だったけれど本当にありがとう。明日、私はこの地を離れます。さようなら」

 

 このメッセージが突然、洋貴のところに送られてきた。しかも、夜遅くに。

 

「えっ、どうしてこんな時間に?」

 

 洋貴は今から寝ようとしていたところだった。驚いて飛び起き、慌てて返信をした。

 

「明日、ですか?明日、会う時間はありませんか?」

 

 洋貴はスマホを握りしめ、まみの返事をずっと待っていた。だが、いつまで経っても返事はこなかった。いつしか洋貴は眠りについていた。

 

 翌朝、いつものように朝早く目を覚まし、すぐにスマホを確認したが、まみからの返事はない。

 

「さようならって、本当にこれで終わりなの?」

 

 もう一度メッセージを送る。が、やはり返事は返ってこなかった。

 

「もうこれで終わりなんだ…」

 

 体中の力が一気に抜ける。何かをやろうという気力も起こらない。けれど、毎日続けている動画配信はやらなきゃ。そう思って悲痛な顔を隠して、朝の動画配信をいつものように行う。が、言葉に力が入らない。

 

「今日、休もうかな…」

 

〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーはこちらで読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/