「ひ、ひろさん、あ、ありがとう」
まみは下を向いて、小さく肩を震わせ、涙ぐみながらそう返事をした。
「まみさん、大丈夫ですよ。この先どうなるかはわかりませんけど。今、こうやって会っているときにはまみさんのことを好きでいさせてくださいね」
「はいっ」
まみは洋貴に抱きついてそう返事をする。洋貴はまみの身体を抱きしめる。強く、強く。
このあと、二人はカフェ・シェリーをあとにして夜の街へと消えていった。
翌日から、二人はできるだけ頻繁に連絡を取り合うようになった。今まではLINEのメッセージだけだったのが、通話になり、さらに翌日にはビデオ通話になり、夜は一時間ほどおしゃべりをするのが日課になってきた。
洋貴とまみが出会ってから一週間で、二人の仲はさらに深いものとなっていた。そして本来会う約束をしていた土曜日、二人はまたもやカフェ・シェリーで落ち合うことにしていた。
「さぁて、今日は実物のまみさんに会えるぞ。楽しみだなぁ」
この日、洋貴はいままでにないおめかしをしてデートの準備を始めていた。そして頭の中で今日のデートコースをおさらいしていた。
「えっと、カフェ・シェリーで10時に落ち合って、お昼を食べに行って…」
〜おしらせ〜
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