Cafe Shelly next 第4話 10日間の恋 その16 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「…はい」

 

 まみは下を向いてうなずくしかできなかった。果たしてシェリー・ブレンドは二人にどんなことを教えてくれるのだろうか。二人、同時にコーヒーを飲み、そして目をつぶる。

 

「お味はいかがでしたか?」

 

 のりこが恐る恐る二人に尋ねてみる。最初に答えたのは洋貴であった。

 

「はい、飲んで感じたのは、今のままでいいんだってことです。まみさんにあったこと、これは過去のことですから。これからの未来は新しく作ればいいんです。だから、取り立ててオレが騒ぐ必要もない。うん、今のままでいいんです」

 

 洋貴は自分自身に言い聞かせるようにそう言葉を発した。

 

「まみさんはいかがでしたか?」

 

「私は…」

 

 まみは下を向いている。少し言いにくそうな感じである。少し間が空いて、顔を上げて再度言葉を発した。

 

「私は、新しい自分にならないといけない。そう感じました。シェリー・ブレンドが今まで感じたことのない味でしたから。つまり、過去の自分にとらわれず、新しい自分を作ることが今の私に求められているってことかな。そう感じたんです」

 

 洋貴はその言葉を聞いて安心した。が、のりこはそうは感じなかった。

 

「まみさん、他にも感じたことがあるんじゃないですか?」

 

〜おしらせ〜
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