「なんだかすごい人と知り合いになっちゃったみたいですね、マスター」
のりこにそう言われて、マスターもさすがに驚いてしまったようだ。
「いやぁ、そんな人と気軽に話をしていただなんて。さらに、アドバイスまでしちゃった。私のほうが学ばないといけないことが多そうなのに。またコーヒーを飲みに来るって言ってたなぁ」
「マスター、すごい人をお客さんにしちゃったね。まぁ新宮寺さんって、そんなに構えるほどの人じゃないよ。それに、お金持ちだからって態度を変えるようなことをする人を嫌うからね。だからオレも普通に会話をしているよ」
城次の言葉はマスターやのりこを安心させるものになった。
「マスター、相手がお金持ちのすごい人だからって、困った顔しちゃだめですよ。良かったに変えないとね」
のりこにそう言われて、マスターは自分がさっき言った言葉を思い出した。
「私もまだまだ人としての修行が足りないなぁ。お客様の身分や立場が違っても、公平にいつものように対応すること。これを心がけないと。それがこのお店、カフェ・シェリーなんだから」
そんなお店だから人が集う。これがカフェ・シェリー。マスターはあらためてこのお店の良さを感じた。
<第3話 完>
〜おしらせ〜
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