「さすが、正解です!」
マスターはちいさく拍手をしてまつ子の答えを讃えた。
「店主さんは写真でお客様に笑顔になってもらいたいという想いがある。私は文章を書くことで読んだ人が笑顔になってもらいたいという想いがある。表現方法は違えども、目的が同じだって伝えたんです。そうしたら店主さん、急ににっこり笑顔になってこう言ってくれたんです」
サトシは前にも増して、マスターの話に食い入るように体を傾けている。早く続きが聴きたい、という気持ちが現れている。
「バカにしているなんて言って悪かった。やり方は違っても想いは同じなんだってことがわかったら安心しましたよって」
「なるほどのぉ。やり方は違っても想いは同じか。そうじゃな、サトシさんよ」
まつ子はそう言ってサトシの肩をポンと叩いた。それが何を意味しているのか、さすがのサトシもそこは悟ることができた。
「そうですね。そもそもボランティアに参加している想い、これは私もまつ子さんも、そして桑原さんも同じはずです。ただそれぞれでやり方が違う。そういうことですよね」
「私もそう思うぞ。あとはお互いの考え方を理解するだけじゃないのかな?」
まつ子は笑顔でうなずきながらそう言った。
〜おしらせ〜
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