Cafe Shelly next 第3話 困ったを良かったに その13 | 【小説】Cafe Shelly next

【小説】Cafe Shelly next

喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

 サトシは自分が悪いと言われるとは思ってもみなかったようだ。明らかに動揺している。だが、まつ子はサトシに対してこんな言葉を伝えた。

 

「お前さんの口癖、なんだかわかるかな?」

 

「えっ、私の口癖ですか?いやぁ、そんなのありましたっけ?」

 

「やはり自覚しておらんようじゃな。サトシさんよ、お前さんよく口にする言葉で『次は何をすればいいんですか?』というのがある。これは前々から気にはなっておったんじゃがのぉ」

 

「いやいや、だって次に何をすればいいのかわからないから、素直に質問をしているだけですよ。それの何が悪いんですか?」

 

「まぁお前さんがこのボランティアに入ったばかりだったら、それでよかったんじゃが。サトシさん、ここに入ってからどのくらい経つかな?」

 

「えっと、会社を退職してすぐだから、もう半年くらいになりますか」

 

「半年経って、まだ自分が何をすればいいのか、指示をされないとわからないのかな?」

 

「えっ、いや、それは…」

 

 まつ子にそう言われて、サトシは言葉が出てこなかった。確かに自分は指示待ちのところがあるということを、あらためて自覚したようだ。

 

「桑原のやつは、お前さんのその点がとても気になっておるんじゃろう」

 

〜おしらせ〜
Cafe Shelly第1部、全120話のバックナンバーはこちらで読むことができます
https://ncode.syosetu.com/s5786f/