Cafe Shelly next 第3話 困ったを良かったに その9 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「欲しいものの味とのぉ。ということは、さっき飲んだときに感じたもの、あれが私が欲しいと思っているものなのか。うん、たしかにそうじゃのぉ。こいつはおもしろい」

 

「でしょう。だから、自分の本当の願望に気づいたりすることもできるんです。そして、その願望を手に入れる方法も、このシェリー・ブレンドで得ることもできるんですよ」

 

「そうか、それでか。サトシさん、お前さんこのコーヒーで今回の問題を解決しようと思っておるのじゃな」

 

「はい、実は前回このお店に来たときに、このシェリー・ブレンドを飲んだときに頭に浮かんだのがまつ子さんだったんです。まつ子さんに相談すればなんとかなるんじゃないかって」

 

「それで今朝は私をデートに誘った、というわけじゃな。わっはっは」

 

 豪快に笑うまつ子。このあっけらかんとした性格が周りを明るくさせてくれる。だからサトシもまつ子を頼りにしたくなる。

 

「ところでサトシさん、お前さんはどんな味がしたんじゃ?」

 

「まだ飲んでいないんです。じゃぁ、これから飲んでみますね」

 

 そう言うとサトシはカップを手にして、黒い液体を喉に流し込んだ。そして目をつぶる。

 

「どんな味がしたかな?」

 

 まつ子がそう尋ねる。

 

〜おしらせ〜
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