Cafe Shelly next 第2話 私の仕事って その29 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「予想もしなかった味でした。味というより、感覚かな。目の前に天使が現れた感じがしたんです」

 

「天使?」

 

 のりこも予想もしなかった答えだったので、どう捉えてよいのかわからなかった。が、歩は天使という言葉に対して納得しているようだった。

 

「はい、天使です。まさにここは天国。そしてマスターやあなたが天使。ここに戻ってくれば、自分の思いに立ち返ることができる。そんな空間だっていうことを、このコーヒーが教えてくれたんです」

 

 なるほど、そういうことか。のりこは納得したと同時に、ちょっと気恥ずかしさを感じていた。

 

「私とマスターが天使って、なんか嬉しい反面恥ずかしさもありますね」

 

「いやいや、本当にそうですよ。間違って地獄行きになる直前にボクを救ってくれた。本当にこのお店に感謝です。あらためてありがとうございました」

 

 そうやって一礼をする歩。顔を上げた時、のりこは逆に歩に光を感じた。まさに歩こそが天使のような感じがしたのだ。

 

「田中さん、これからはご自身が私達と同じようになって下さい。田中さんのやり方で、多くの人を笑顔にしてあげてくださいね」

 

「はい、わかりました。これから頑張っていきます。じゃぁ、いってきます!」

 

〜おしらせ〜
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