Cafe Shelly next 第2話 私の仕事って その20 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

「そもそも、ボクはどうして今の会社でこの仕事をしているのか。それは、分析がとても好きだったからなんです。ネット通販の知識については、仕事をやりながら覚えていきました。というよりも、この業界の技術って日進月歩で、常に新しいものが誕生していきます。だから、一年前の技術では使い物にならないんです」

 

 マスターはふむふむと感心しながら聴いている。その聴き方が心地よかったのか、歩はさらに口を滑らせていく。

 

「大事なのは技術力じゃない、分析力なんです。あなたの会社の商品は、どういったお客様が一番購入したいと思っていて、どんな方法で買っていくのか。さらには、どんな広告を見てここにたどり着いたのか。こういったことを紐解いていき、さらにターゲットを絞って効果的な広告を出していくようにする。こういうのが好きだから、今の仕事が楽しいんです」

 

「なるほどぉ。私なんてコーヒーを飲んでくれる人がお客様っていう意識しかありませんでしたからね。ターゲットを絞るのは大切なことなんですね」

 

「えぇ、こういったことを知らないから多くのビジネスが失敗をしているんです。おっと、話が逸れちゃいましたね。で、ボクが見た光景なんですけど」

 

〜おしらせ〜
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