Cafe Shelly next 第1話 独りじゃない その6 | 【小説】Cafe Shelly next

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喫茶店、Cafe Shelly。
ここで出される魔法のコーヒー、シェリー・ブレンド。
このコーヒーを飲んだ人は、今自分が欲しいと思っているものの味がする。
このコーヒーを飲むことにより、人生の転機が訪れる人がたくさんいる。

カラン・コロン・カラン

 

 心地よいカウベルの音。お客様がいらした合図である。

 

「いらっしゃいませ」

 

 マスターはこの音が鳴ると、すぐに言葉が反応するようになってきた。これはどんな作業をしていても、反射的にそう言葉がでるような習慣になっているのだ。

 

「あの…ここに魔法のコーヒーがあると聞いてきたんですけど」

 

 入り口に立っているのは、三十代くらいの女性。髪はショートボブでやわらかい雰囲気を持った小柄な方である。けれど、どこかおどおどしている印象がある。マスターはその女性を笑顔で迎え入れた。

 

「はい、ございますよ。窓際の席へどうぞ」

 

 今日は常連客の隆史しかいなかったので、マスターはカウンターを出てメニューを持って女性のところへ行って席を案内した。忙しいときにはなかなかカウンターから離れることもできなくなるのが今のマスターの困りごとであった。

 

「こちらが魔法のコーヒー、シェリー・ブレンドです」

 

 マスターはメニューを開いて女性に説明をする。

 

「じゃぁ、それを一つおねがいします」

 

 その女性はどこか不思議な雰囲気も感じられる。それはなんなのか、今の時点ではマスターにはわからなかった。ただ、惹かれるものをマスターは感じていた。

 

〜おしらせ〜

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