そうだ、彼女をあの喫茶店、カフェ・シェリーに連れて行こう。そしてあの男性や奥さんの話を聞いて、もっと仲を深めてみよう。
思い立ったが吉日、オレは早速彼女に連絡を取り、次の休みでタイミングが合うときを聞いた。するとありがたいことに、次の土曜日が夜勤明けで休みになるとのこと。土曜日だったら午前中仕事をすれば午後は休めるな。
「ちょっと連れていきたいお店があるんだ。きっと気にいると思うよ」
「そうなんだ。楽しみにしてるね」
こんなやりとりをして、いよいよ土曜日を迎えた。
「オレはこのお店のマスターに正月早々出会ったおかげで、君に出会うことができたんだよ」
「どんな人だろう?楽しみだな」
カラン・コロン・カラン
扉を開く。すると前回と違って、今回はコーヒーの香りが体を包み込んでくれた。喫茶店に来たんだって感じがする。
「いらっしゃいませ。あ、この前の」
先に気づいたのは奥さんの方。そしてあの男性がいるカウンターの方を向いたとき、これまた思わぬ言葉が彼女から飛び出した。
「あーっ、先生!」
先生?どういうことだ?
「おー、ミキじゃないか。あれっ、二人は知り合いなの?」
男性も彼女を知っているようだ。
「ねぇ、どういうこと?」