「こらこら、瑞穂っ。イズミくん、ごめんなさいね。瑞穂ったら最近ちょっと口が悪くなってて」
「お母さん、何いってんのよ。失礼しちゃうわ」
瑞穂ちゃん、確かにカリカリしているな。勉強のストレスでも溜まっているのかな?ならば、この手はどうかな?
「あのさ、あのさ、瑞穂ちゃんってここのおねえさんみたいな、きれいな髪してるよね」
ここのおねえさんも、長いストレートのきれいな髪をしている。
「あ、ありがとう」
急にしおらしくなる瑞穂ちゃん。さらに追い打ちをかけてみる。
「目もパッチリしてて、すっごくドキドキしちゃった。どっかのアイドルかと思っちゃったもん」
「でしょう、私の自慢の娘だもん。瑞穂って、もっと磨くといい線いってると思うんだけどなぁ」
「なによ、それ。まぁ、いいけど…でも、バッカみたい。初対面の相手にそんなこと言う?」
「でも瑞穂、イズミくんにそう言われてうれしいんでしょ」
「うぅん、悪い気はしないけど」
「イズミくん、周りを明るくしてくれる人なんだよね。だからお母さん、イズミくんがもっと身近に感じられる人になってくれるといいなって思うんだよね」
「な、なによそれ。お母さん、イズミくんを彼氏にしようってこと?」