「これ、なんて書いてあるんだ?」
「そう言うと思ったよ」
すると大山は画面をクリック。一瞬にして先ほどの英文が日本語に変わった。
「自動翻訳だから、ちょっとおかしいところはあるが。概要はわかるはずだ」
腕組みをして怒った表情で大山が言う。とにかくその記事を読まねば。
「どれどれ…ん、えっ、なにっ!」
読み進めていくと、大山の怒りの原因がわかった。と同時に、血の気が引いていく自分がいることもわかった。
そこには、大山にも進めた投資話の会社の名前が書かれてある。その会社が詐欺容疑で捕まったという内容だ。
「詐欺って、ど、どういうことなんだ…」
「こっちが聞きたいんだよ。おい、オレが投資した金はどうなるんだっ!」
「ちょ、ちょっとまってよ。今すぐ確認するから」
あわててこの話をもってきた社長のところへ電話をする。が、話し中でつながらない。
「ちくしょう、つながらない。ちょっと待ってろ。この話をしてきた社長のところに行くから」
「オレも行くっ」
おいおい、どうなるんだよ。自分だってなけなしの三千万円を投資したんだから。この金、無理やりかきあつめたんだぞ。どうしてくれるんだ。そう思うと泣きたくなってくる。