長い年月が流れた再会 | Cafe & Bar ສະບາຍດີ

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大阪の福島にあるCafe & Barです。
Jazzとアジア料理で、あなたを快適空間へといざないます。



小学校の同級生たちと久しぶりに会った。
転校して以来の再会。中には、自分が転校した後に転入してきた人もいて、初めての顔合わせだ。

7人のメンバーで御巣鷹山へ登った。
知らない方もいるだろうから説明すると、ここは昔、日航機が墜落した現場。
520人が亡くなり、4人だけが生存できた壮絶な事故だった。
その事故に、小学校の時の同級生が一家で巻き込まれてしまったのだ。

貸切バスは、高速道路を下り、さらに山深い道を進んでいく。
やがて、細くさびしい道を進んでいくが、この道が比較的新しいのは、事故の後にできた道だからだろう。

もしも一人で来ていたら、道に迷うか、たどり着けなかったかもしれない。

駐車場でバスを降り、登山口から山へ入る。
森の中の山道は、肌寒いくらいだ。
しかし、やがて道は急斜面へと変わり、うっすらと汗をかいてくる。

この急斜面には今でこそ階段が作られているが、事故当時は何もなかったという。
救助活動がいかに困難だったかを思い知らされる。

やがていくつかの墓標が現れる。
遺体が見つかった地点に墓標が建てられているそうで、その広がりから、事故の衝撃がいかに大きかったかが分かる...

昇魂の碑が建っている場所は少し開けていて、このあたりに機首が突っ込んだらしい。
少し上にある切り株が焦げているのは、事故のためだそうだ。

友達の墓標はここから下った、沢のところにあるという。
友達のもとへたどり着くまでに、いかに多くの墓標を見たことか...

幸いにも救出された人の証言では、事故直後うめき声やすすり泣く声が聞こえたという。
日が暮れると気温がぐっと下がるこの山奥で、苦しみながら寂しい思いをして亡くなっていったのかと思うと、胸が詰まる。

友達の墓標へ迷わず進むことができたのは、今回のメンバーの中にすでに来たことがある者がいるからだ。
一人は、事故の数年後、奇しくも日航で働き、社員としてここに来ていた。
一人は、彼女からその場所を聞いて、一人で来ていた。
一人は、情報のないまま、墓標を一つずつ調べていき、苦労の末、最後にたどり着いたそうだ。

花と酒を供え、一人ずつ祈りをささげ、そしてみんなで一緒に酒を飲み、校歌を歌った。
残念ながら、それぞれの事情で来れなかった者たちの思いも一緒に。
当時小学生だった彼も、もうこの歳だから一緒に飲めるよね。

自分は、子どもの頃彼の家に泊めてもらったお礼を、家族の人に言うことができた。

いろんな思いが込み上げて、混じって、考えにならない。

今、自分たちがしていることは、残った者たちの慰めかもしれない。

自分たちのためにやっているだけかもしれない。

正直、そんな考えも出てきた。

でも、来てよかった。みんなで来れてよかった。ただ、そう思った。

しみったれたのは嫌いだけど、なんだか胸が詰まる。そして、考えにならない。

救われた思いがしたエピソードがある。今回参加した友達の一人が、事故直後に夢をみたという。
亡くなった友達兄妹が血まみれで出てきて、「どうしたの?」と声をかけると、
「ぼくたち事故にあっちゃったんだ。でも大丈夫だから。」
と言って、消えた。

大丈夫。そのうち、またみんなで一緒に会えると思う。
そのとき、懐かしい昔話をしたり、歌ったり、呑んだり、一緒にできると思う。

今回、このブログを書くことにしたのは、彼とつながりのある友達が、これを見たことがきっかけになり、彼を訪れることになればいいなと思ったからだ。
現に、今回のメンバーの中にmixiの記事を見て、一緒に登ろうと呼び掛けた者がいる。

次は2年後。事故30年後に多くの仲間と一緒に来たい。
今回のメンバー全員が思ったことだった。

そして、あの事故が、決して風化してしまうことのないように。
みんなから忘れられてしまうことのないように。

本当に残念なことに、この地に来ていたずらをする者がいるらしい。
遺族の方のことを思うと、ひどく胸が痛む。
どうか、故人の死を、遺族の方たちの思いを踏みにじらないでいただきたい。

この追悼登山を開催するにあたり奔走してくれた友人たちに、感謝の念が絶えない。
そして、我々を引き合わせてくれた、亡くなった友達と、その家族、そしてこの事故のすべての犠牲者のご冥福を祈ります。


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山の中を登っていく。登り口こそまだ緩やかだが、やがて急斜面へと変わる。
ご高齢の方は、ここへ来るのも大変なことだろう。

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はるか向こうの尾根の低くなっているところにエンジンが当たり、そしてこのあたりに機首が突っ込んだらしい。想像するだけで、恐ろしい現場だ。

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事故で焼けてしまった切り株。しかし...!
そこから新しい芽が!命は続いている!

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一人でも多くの友達が、彼を訪ねることができますように。