「ホリスティック医学」とは何でしょうか。

そしてそれは、私たちの日々の仕事・生活にどのように役に立つのでしょうか。


この「問い」を中心にして、日本ホリスティック医学協会が定義している5つの事項について、ひとつひとつ深く考えてみたいと思います。


今回は、ホリスティック医学の2つ目の定義である、 



3, 患者が自ら癒し、治癒者は援助する



について考えてみたいと思います。

この定義の本質とはなんでしょうか。

それは「専門家は誰か」ということと密接に関係しているように思います。

少し、想像して見て下さい。

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例えば、ある方が突然お腹が痛くなってお医者さんに行ったとします。お腹の痛みと原因が分からない不安に怯えながら、お医者さんの診察を待っています。そして、いよいよ診察が始まりその人はお医者さんからの、様々な質問に答えます。結果、いろいろ調べたのだけれど原因となる疾患は見つかりませんでした。

「多分、ストレスが原因かもしれないね。いくつか薬を出しておくからしばらく安静にして下さいね。」

結局、この方のお腹の痛みは薬を飲んでもおさまらず、しばらくの間、痛みと不安に苦しむことになってしまいました。
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もし、皆さんがこの方の家族だったらどのように対応しますか。

もしかしたら「決まりきった対応」はないのかもしれません。

原因はこの方の、

・周囲との人間関係

・過去に対する後悔

・将来に対する不安

・その他、原因不明の病原菌

・疲労による自律神経の失調状態

かもしれませんが、それも分かりません・・・。

このような例から、必ずしもお医者さんから見た「疾患」と患者さんが抱える「病」が一致するとはいえないと思います。なぜなら「疾患」とは部分的なものであり、「病」とは全体的なものだからです。

さて、もし私たちがこの方の家族であったら一体何ができるのでしょうか。


私は、私たちにできることは心からこの方を「信じ」、この方の語る物語を「傾聴」し、この方の訴えをまるごと「受け入れ」、そしてこの方の辛い気持ちにまるごと「寄り添う」ことだと考えます。

それは、なぜか。

この問題の当事者はこの方自身だからです。本当の専門家は自分自身だからです。私たちがこの方を直接に治し、癒すことはできません。もし、この方の症状が治り、癒されるのなら、それはなんらかの「気づき」によるものなのかもしれません。

そして、この「気づき」が現れる条件あるとすれば、その時にはこの方と私たちの人間関係、そして先にも述べた私たちの本質的な心の姿勢が問われるのだと思います。

従って、

患者が自ら癒し、治癒者は援助する

この真実を私たちは常に心にとめておくことが、最も大切なことのように思います。

つい油断をすると親子関係、夫婦関係、友人関係、仕事関係などの人間関係において、私たちは「なぜ○○しないんだ」「解決策は○○だ」「あなたは○○だ」というように相手を自分の側から断定した見方・考え方、そして行動をしてしまいがちです。

誰が当事者か。

専門家は誰か。

相手に合った心の姿勢、行動は何か。

私たちが誰かを支援しようとする時に、このようなことを自問自答することは非常に大切なことのように思います。












「ホリスティック医学」とは何でしょうか。

そしてそれは、私たちの日々の仕事・生活にどのように役に立つのでしょうか。


この「問い」を中心にして、日本ホリスティック医学協会が定義している5つの事項について、ひとつひとつ深く考えてみたいと思います。


今回は、ホリスティック医学の2つ目の定義である、


2, 自然治癒力を癒しの原点におく


について考えてみたいと思います。


さて、そもそも「自然治癒力」とは何でしょうか。


「自然治癒力」とはその名の通り本来、生命が持っている「自らを治し癒す力」のことをいいます。


この「自然治癒力」というものは、もちろん目には見えないのだけれど、私たちの日常生活を考えてみると、きっと身近に感じることができると思います。


例えば、


 転んで膝を擦りむいてしまった時、その傷口が自然に回復して

 いこうとする力


 風邪をひいてしまった時に、それを回復させようとする力


 人間関係でストレス一杯になっているときに、親しい人とのふと

 した会話から、自分が癒されていくような感覚。


 都会の慌ただしさから逃れて、緑豊かな自然や満点の星空の中に

 いて、癒されていくような感覚。


このように私たちには自らの中に、そして自らと他の人間や環境との「つながり」によって自らを癒す「自然治癒力」が備わっています。


アンドルー・ワイル博士(アメリカ合衆国の健康医学研究者。医学博士)はその著書『癒す心、治る力』(上野圭一訳、角川書店)で、


現代人は、とかく治癒を邪魔するものを改善することよりも、邪魔しているものをそのままにして治癒力を上げることばかり考え過ぎているが、それは順番が違うし、効果が悪いやり方だ


と指摘しています。そこでワイル博士は「治癒系を阻害する8大要因」を提唱していますので、ここで紹介したいと思います。(ワイル博士は自然治癒力のことを治癒系と呼んでいますが、この2つは同じ意味としてとらえて良いと思います。)


1, エネルギー不足

・代謝エネルギーの不足

(誤った食生活、消化障害、浅い呼吸、食べ過ぎ)

・エネルギーの過剰使用

(オーバーワーク、休息と睡眠不足、カフェイン飲料、タバコ等)

 代謝とは食物中の熱エネルギーを体の栄養として、化学エネルギーに変えること


2, 循環不全

血液の循環不全のために、障害部位に酸素や栄養、免疫物質が

供給できなくなってしまうこと。この大切な循環器系の順調な

活動は、健康的な食生活、禁煙、運動によって維持することが

できます。


3, 浅い呼吸

浅い呼吸は、代謝を低下させて治癒系の効率を下げるだけ

なく、臓血管系をはじめとしたすべての器官のはたらきに

影響を与えてます。脳神経系も、酸素と二酸化炭素の交換が

適切に行われることが重要です。


4, 防衛障害(免疫低下)

防衛力の中心は免疫系ですが、ワイル博士は免疫系を

弱らせる原因として、


 持続的または強力な感染

 特定の物質やエネルギーによる害作用

 不健康な精神状態


の3点を指摘しています。免疫能力を高める注意点として食生活

運動、ビタミンやミネラル類、ハーブ類の賢明な使い方を勧めて

ます。


5, 有害物質

飲食物として摂取したり、呼吸する空気とともに摂取したりして

しまっているほか、薬物としても有害物質は摂取されています。

有害エネルギーも有害物質も、治癒に必要な情報を含んで

いるDNAを損傷しかねません。そして、生物学的制御を

混乱させ、防衛力を弱らせ、がんをはじめとするいろいろ

な病気の進行を促してしまいます。

また、過剰な有害物質はアレルギー、自己免疫疾患、さまざま

因不明の消耗性疾患(パーキンソン病など)の主要な原因

ではないかと、ワイル博士は考えています。


6, 老化

年をとると免疫力が低下し、抵抗力も弱まり、若いときのように

は治りにくくなります。老人になると、治癒力がなくなるわけ

ではないが、若い頃よりは時間がかかるようになってしまいます。


7, 心理的要因

ワイル博士は「こころの中のできごとが自発的治癒の引き金を

引き、また、こころの使い方が阻害要因にもなりうる」と述べて

います。つまり、心理的なものが健康にとって、良い面にも悪い面

にも両方に影響する1つの大事な要因であるといえます。


8, 精神的、霊的問題

ヒーラーと呼ばれる人たちは、多くは「健康や病気の主要原因は

物質的、身体的なものではなく、精神的、霊的なものだ」と考えて

いると、ワイル博士は述べています。


以上のようなことを見ていくと、私たちにとって大切なことは、私たちひとりひとりの内側や、私たちを取り巻く人間関係や環境にもともと備わっている「自然治癒力」の声に耳を傾けて、その「自然治癒力」が働くように、忙しい日々の中であっても「心を配る」ことだといえそうです。











ホリスティック医学」とは何でしょうか。

そしてそれは、私たちの日々の仕事・生活にどのように役に立つのでしょうか。



この「問い」を中心にして、日本ホリスティック医学協会が定義している5つの事項について、ひとつひとつ深く考えてみたいと思います。



1, ホリスティック(全的)な健康観に立脚する



そもそも「健康」とはどういう状態のことをいうのでしょうか。私たちは何を根拠として「健康である」、「健康でない」と考えるのでしょうか。恐らく、100人いれば100通りの「健康」に対する考え方、認識の仕方があるのではないでしょうか。


そこでまず、「健康」を考える上での指針としてWHO(世界保健機関)の「健康」の定義を紹介したいと思います。



「健康とは肉体的、精神的および社会的にも完全に良い状態にあることであり、単に疾病
がないということではない」





この「健康」の定義から考えてみると、果たして皆さんは「健康でしょうか」、「それとも健康ではないでしょうか」。私はというと「健康ではあるけど、実はそうでもないんじゃないかな」と考えてしまったりします。



このように考えると「健康」を考える、そして「健康」になるということは一見分かりやすそうで、実は分かりにくいものだとも思えてきます。



なぜでしょうか。



おそらく本当の健康とは皆さんひとりひとりの心の中に、そして皆さんを取り巻く人間関係や環境を含むものの中に、あるからではないでしょうか。



そのような意味で「健康」を捉えると、「健康」とは「病気でないこと」を超えて、私たちの「生きがい」を感じる心や周囲の人間関係、そして環境との関わりにも及ぶ、広くて深いテーマであることに気づいてきます。



以上のようなことからホリスティック(全的)な健康観に立脚するとは、その人の病気や症状だけでなく心の状態、周囲の人間関係、そして環境などのまさにホリスティック(全的)な「つながり」の中でその人の健康を考えていくということであると言えます。


特定の症状や現象の原因を追及するだけでなく、その背景にある「つながり」に注目するホリスティック(全的)な健康観を持つことは、自分自身や目の前の相手をもっと広く、そして深く理解することに役立つのではないでしょうか。