甘酒を例に、菌の活動を書いてみようと思います。

甘酒を作る菌、麹菌の活動温度は55℃前後が適温でした。
30℃以下では活動が遅いです。70℃以上では死滅してしまいます。

米と米麹を合わせて、甘くなったピークが出来上がりです。
それは55℃を保っていたら、6~10時間で甘味のピークになります。
30℃以下だったら、どうでしょう、4日~10日ぐらいかかるのでしょうか?
どちらにしても、70℃以上にして死滅させない限り
ゆっくりでも発酵していきます。

そのゆっくりですが、その間に材料のほうか、気温や他の菌が
まざったりしたら、腐敗という形に変えていくので、
確実に作るのなら、適正温度にして
作ってしまったほうがいいかもしれません。

では、完成した甘酒・濃縮タイプの甘酒ですが
菌は生きたままですので、そのまま時間がたつと
発酵はどんどん進んでいきます。

その進化は
甘酒 ⇒ どぶろく(酒) ⇒ 酢 
になっていきます。

この進化の過程は、また空気中の菌が付着されて
発酵を続けます。こんな感じです。

①麹菌の分解活動が甘味・糖分を作ります=甘酒

②空気中に存在する、糖分の好きな酵母菌がいて、
酵母菌は糖分を餌にしてアルコール発酵をします=どぶろく(酒)

③さらに、そのアルコールが大好物なのが
酢酸菌といって、アルコールを餌に酢に変えてしまうのです=酢


甘酒一つ作っても、これだけの進化を続けてしまうのです。
これは全て、目に見えない空気の中に存在するものが
してしまうことです。

甘酒が完成し、冷蔵庫で保存しますが、菌が生きている限りは
こんな進化をとげていきます。
10日ほどして甘味がなくなるというのは、腐ったのではなく
アルコール発酵、酢になっていく過程なのです。

ただし、その前にカビが生えることがあります。
それは容器のフタなどによる水滴がついたものと思われます。

この進化を止めるには、発酵止めといって
甘酒が完成したものを火にかけ、沸騰させます。
麹菌を70℃以上にすることで、活動を止めてしまうのです。

ここで最初、菌が死んだら、その食品の栄養素まで
なくなるのではないか?と思いました。
発酵止めをしたことによって、生きた菌はなくなるけど、
その時に出来た栄養は、そのまま残るので、
からなず菌が生きていないから、意味のないものではないのです。
ブドウ糖、アミノ酸、ビタミンB群、ちゃんとありますよ。

さらに、形上、生存している菌はいませんが
何かしらの良い作用は残っていると思います。
それは理論上では証明できるものではなく、
私たちが説明できない「波動」もあるんじゃないでしょうか・・・。

自分の用途に合わせて、発酵をそのまま生かしたり
発酵止めをして、保存してみてください。

菌が生きていて、一番長く保存できる方法は冷凍です。
冷凍は眠った状態になりますよ。
70℃以上にならないように、温めて起こしてあげてください(*^^*)