かつて自分の書いた小説に山窩(さんか)を
登場させてから、思い描いたことがある。
山窩とは山の民。社会の規範にとらわれず
放浪的に生きる人。
ジプシー、あるいは、ボヘミアン。
銃のなかった時代、弓矢と山刀を手に山から
山へと渡り歩く。なんてカッコいいオトコだろ。
されど、ムリっ。
うん、俺にはムリだと弱気になった。
熊がいて、蛇がいて、それ以上に、森には
怖いお化けが棲んでいる。
想像するだけで泣いちゃう。 じぇったい、ヤだ。
夜中に起き出して書いている。 もいっぺん寝よ。