思えば三年間、本当にラテアートだけをしていた。
僕の価値はラテアートしかなかったから。出来なかったらほんとただのフリーターだった。
でもそれで3年間勝負が出来ていた。
大阪に来て初めにしたことは、その年の目標を作ることだった。
画用紙にとにかく目標を書いた。書き方は、最終目標までを10にも20にも細切れにして書いた。
それを達成するたびに消していく。
少しずつ、少しずつ消えて、夢がだんだん叶っていくのが楽しかった。
あとは夢を毎日確認することで、チャンスを逃さないように、チャンスが来るようにと書いていた。
例えばフォロワー6万人が目標だった初めの年は、
末も末、なんと12月31日に達成することが出来た。年も初めに立てた目標がきっちりと達成されたのだ。言霊とはよく言ったものだ。
僕はこの時から言葉の力を信じだした。
例えばツイッターのプロフィールには「カプチーノに絵を描くだけの簡単なお仕事」と書いているが、
本当にラテアートに絵を描くだけしか能のない人間になってしまっている。好きだからいいんだけど。
あと、実は大阪に来た理由は「次東京に戻る時はお店を構える時」という目標があった。
今年は、
「レストランとイベントの両立が難しいが、そのチャンスがあるとすればイベント側だ」、
ということで一月にレストランを辞め、貯金をゴリゴリ削りながら少ないイベントを大切にこなしてきたら、とうとうカフェの話が来た。
これも今年駄目だったら来年からは普通に働こうと考えていた。弟も結婚したし、兄もきちんと身を置かねば、と。
本当にラテアートだけをしてきた。
そして、これからもカプチーノに絵を描くだけの簡単なお仕事を一生懸命やっていくしかないのだろう。
小説の好きなセリフに、「長く生きていることは、それだけで、優秀だってことだ。」というのがある。
僕も、少しでも長く生きていたい。
あとモテたい。
じょーじ