2022.11.05 EOS学園(チャーリィ古庄講師の航空機フォト)実習(1) 〜レンズ比較 | カイザーのブログ

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この日はチャーリィ古庄先生のEOS学園講座の実習にて成田

さくらの山公園に航空機撮影に行ってきました。

 

お天気は曇り、北の風やや弱く、気温も15℃前後。

はっきりしない曇り空で、飛行機撮影には不向きな感じ。

 

チャーリィ先生からのお題は、

「季節感のある写真」「雲の表情を捉えた写真」。

 

でも、お天気からやや難しい現場になったので、先生も

「無理はせずにロケハンぐらいの感じでいきましょう」

といくつかのスポットを案内しつつ、ときにヒコーキを待ち

ながら写真談義をして、まったりと過ごす感じになりました。

 

で、私はこの日がR3の実質初稼働。(前週に紅葉狩りに日光

中禅寺湖で使用したのが初)

合わせてこれまた初稼働のRF70-200mmも持っていき、さらに

キヤノン事務局からRF100-500mm F4.5-7.1LISも借り受けられ

ましたので、これの見定めも合わせて撮影開始。

 

装備としては、

カメラにR3、7D2のミラーレスと一眼レフの「動きもの」特化機

レンズはRF70-200mmF2.8LIS、 EF70-200mmLISIIに1.4xIII、

2xIIIのエクステンダー。

そして借り物のRF100-500mmF4.5-7.1L

 

1. RFレンズとEFレンズの描写比較

まずはレンズの描写比較から。

 

(1) 旧EF70-200レンズ@400mm=640mm換算

EOS7D2 + EF70-200mm F2.8LISII+2xIII, F9.0, 1/1000, ISO400

 

(2) 新RF100-500mmレンズ@500mm

EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1LIS, F10, 1/1000, ISO250

 

曇天のローコントラストの写真ということもあり、ぱっと見では

区別がつきません。

 

(1') EFレンズにエクステンダー2倍での機首部分

7D2でISO400での撮影のため、ノイズがのっているのが目立ちます。

陽炎の揺らぎなどもあり、やや不鮮明ですがやむなし。

 

(2') RF100-500レンズの機首部分

さすがはフルサイズのR3で、ノイズはありません。

RF100-500mmレンズもよく解像しているように見えます。

 

もう一機、EFレンズの作例。

(3) 旧EFLIIレンズに2倍エクステンダー(400mm=換算640mm)

EOS7D2 + EF70-200mm F2.8LISII+2xIII, F10, 1/1000 ISO400

 

(3')旧EFLIIレンズに2倍エクステンダーでの機首部分

640mm相当となり、RF100-500mmよりさらに望遠側になりますが、

なかなかいい感じ。

このコンディションでは、それほど解像度にも差がないように見受けら

れます。

 

F2.8望遠レンズに2倍のエクステンダーということで合成F値はF5.6に

なるのですが、RF100-500mmレンズの方も400mm以上の望遠側で

はF7.1になるので、2/3段暗い。であればEFレンズも絞ればいいわけです。

 

少し陽射しがさしてコントラストが上がったときのRF100-500の描写例

を一枚。

 

(4) 新RF100-500mmレンズ@500mm

EOS R3 + RF100-500mm F4.5-7.1LIS, F10, 1/1000 ISO400

 

(4')RF100-500mm機首部分拡大

しっかり光があるとRFレンズはパキッとした描写が楽しめます。

 

お手軽高倍率ズーム(ズーム比5倍!)とも思えないような、しっかり

と解像した描写力をRF100-500mmは発揮します。

 

一方で、空間周波数の高くない被写体である民間旅客機の場合、その場

しのぎとも見える旧EFLIIレンズに2倍エクステンダーをつけての撮影と

いうのも"あり"かもしれません。

 

しかし、RF100-500のようなパキッとした描写に比較すると、やや

鈍いか。曇天のローコントラストの撮影シーンだったので、その辺の

差異はあまり感じにくかった日でした。


一方で、日中光のある場面ならば、APS-Cカメラでは画角が

70-200mm→112mm-320mmレンズになり、

1.4xIIIをつければ157mm-448mm、

2xIIIをつければ224mm-640mmのレンズになります。

 

なんとなく2xIIIではあやふやな描写に感じられる部分もありますが、

1.4xIIIだともう少しシャキッとしたところもあるので1.4xIIIはあるか?

 

AFレスポンスも大デフォーカスになった時の復帰や合焦速度などが

2xIIIでは遅いですが、1.4xIIIでは気にならない程度です。APS-Cカメラ

に装着して、160-450mmのEFレンズとして使うのも良いかもしれません。

 

朝夕や曇り空の時など、光の乏しいときには私の古い7D2では高感度

特性が劣るため、画質面では苦しくなりますが、昼間の1.4xIIIでの運用

は十分考慮できると感じられました。

 

 

2. RF100-500mmの使い勝手

次に使い勝手について比較。

 

これは圧倒的にRF100-500mmですね。

 

まず大きさの問題。

アダプタをつけて、エクステンダーをつけて、となるとインナーズーム式

の旧型EF70-200レンズは全長が長くなりすぎて、取り回しは良くありま

せん。

 

次に重量の問題。

R3にEF LIIレンズを付けるためにはEF-RFアダプタ(130g)が必要で、

これに2倍エクステンダー(325g)を装着すると455g余計に重くなります。

加えて、EF70-200 F2.8LIIレンズは1490gもあるので、合計で1945g

になります。フードなどを考慮するとそれ以上に重いレンズになります。

これでようやく140-400mmをカバーできるレンズになります。

 

これに比較してRF100-500mmレンズの方は1370g、三脚座付きでも

1530gとずっと軽い。

 

撮影中も、航空機の離着陸をじっと待つのに旧EFレンズでは一脚が必須

でしたが、RF100-500mmレンスの場合には手持ちでOK。

肉体的な負担が大きく違うことは実感できました。

 

続いて、操作性。

レンズ単体の操作性は流石に違いはないですが、三脚座の滑らかさは

RF70-200mm<RF100-500mm<<EF70-200mmLII。

 

EF70-200は大型の三脚座になりますが、水平垂直の転換や、位置決め、

安定感など上回っています。

 

特に縦グリップのついているR3の場合、迅速に飛行機の動きに合わせて

三脚座の中でレンズの回転をさせたいのに、RF70-200の三脚座ではほぼ

不可能(円滑な動きができない)、RF100-500はつっかえながらも可能、

EF70-200では何のトラブルもなく可能という感じでした。

EFLIIでは三脚と自由雲台を併用すればEFレンズの三脚座の場合、ジンバル

雲台のような使い方ができます。

 

最後に複数レンズを用いての運用性について。

RFレンズとEFレンズ、RFマウントとEFマウントカメラが混在すると

レンズ交換が大変になります。

 

カメラ側のRF/EFマウント X レンズ側のRF/EFマウントで、4種類の

組み合わせが生じる上に、

 

エクステンダー(レンズ接続側キャップがほかのレンズキャップと互換

性なし)との組み合わせも考えると、現場でレンズ交換をRF/EF/Extender

を混在して使いつつ行うというのは非常に困難という結論です。

 

〜さらにさらに、RFマウントキャップは1箇所でしか止まりません。

これがさらに使い勝手を悪化させている。暗闇で、手探りで、片手で

マウントキャップを付けるということがEFレンズでは簡単なことだった

のに、RFレンズでは不可能と言える状況。(本当にキヤノンの設計者は

写真撮影をしたことがない人ばかりなんですねぇー。棒読み)

 

もちろん急ぎもしないポートレート撮影やブツ撮りならゆっくり交換可能

なので問題は少ないかもしれませんが、スポーツ撮影や飛行機撮影のよう

にその場で迅速に交換しなければならないという場面では、キャップに

悩まされます。

(私は今週に入ってから、全てのレンズキャップ、マウントキャップに

対応レンズ・カメラの名称を記入して、テープで貼り付けました)

 

このことはRF100-500のせいではないのですが、単体ではなくシステム

として使用することを前提としている一眼レフカメラシステムの構成と

しては、非常に混用・併用が難しいな、と感じました。

 

解決策としてはもちろんRマウントとRFレンズに統一してしまえば混用

はなくなるので問題なしになります。

 

が、一度に全てのレンズの移行をアマチュアフォトグラファーが行える

場合も限られましょうし、EF300mm F2.8, EF200mm F2.0レンズの

ようにRFレンズが未発売のものもあります。

 

マウント側をRマウントに絞る(R3、R6だけ)ならば、EFレンズ全てに

アダプタをつけていれば問題なし、になるはずですが、そうでもないこと

がR3を実運用してみてわかりました。

 

ここから先はカメラの方の話になり、また別途。

 

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