昨日はEOS学園の土屋先生のクラスの最終回。
前回撮影の講評の会です。
今回は通例どおりあめ玉三個を用いて、並べら
れた作品に対して受講生が良いと思ったものに
置いていくというシステムでした。
高評価をえられた作品へのコメントを備忘録の
為に残しておきますと,
(前半の部)
1位:バストショット横のグリーン背景とした写真。
(今回初参加の,ふだんは鉄道を撮っている方。)
当然写真データはないのですが,同じような感じ
で撮った写真があるので参考まで。これをバスト
ショットにして,グリーンを背景にやや右側から
撮った写真。(実はこれは後半の部のもの。)
(1)
この写真のグリーン部分を背景にとったものでした。
(土屋先生)
・グリーンの背景勝負の画
・ウェストショットに引いて,表情依存にならない
ようにすれば、さらに偶然性の要素を排して良い。
・グリーンのグラデーションと全体のバランスが良い。
2位:ウェストショットで並木を両側に配してグリーン
バックとしつつ,並木道の上のスカイバックを抜けとして
つかったヨコ位置の写真。
(土屋先生)
・抜けと顔の向き(やや上向き),ハイライトの使い方が良い。
・仕草・動作による画作りで、表情依存を排す。
・空間処理を意識して、スカイバックにしつつ、両側にグリーンを
配しているのが良い。
今回の土屋先生の望遠レンズ組へのポイントはどうも,
表情依存を排そう、という点だったようです。
要約すると,
光のあたり具合を読み,背景を固めて,構図を固めて,
モデルを配置し,そのうえで表情や仕草を指示していく。
あまり大きな動作やアップショットで寄り過ぎると表情
への依存度や偶然性が大きくなり,良い写真を撮れる確率
が低くなってしまう。
そういう奇跡の一枚もいいけど,基礎クラスはもっと堅実に
基本を押さえていく意味で,望遠レンズのときには,あえて
引きの画で,圧縮効果をうまく使いながら,表情に頼らず
とも良い写真ですね,というものを狙いましょうという感じ。
3位:ニーショットを10000Kで焼き、Yを抜いて彩度を落とした画。
(土屋先生)
・自分の色とか,世界観で仕上がりのイメージを持って撮ってる。
4位:ニーショットで回転させたところの写真。
(土屋先生)
・どういう表情をさせるか,はっきり指示・誘導する。
・あまり大きな動作をさせて,下着が見えてしまうのは良くない。
・スウィングするだけでも十分雰囲気は出る。
5位:私の写真。
(2)
(土屋先生)
・この髪の形,腕の形が良いから選んだんだろうけど,ばっちり
決まるのは確率が低い。
・あるいはもう少し引いて靴が全部入るところまで引いた画にする。
(欠点があると評価されにくい。ファインダーの四周を良く見て撮る)
・路面の処理がもったいない。つぶした背景にまとめた方が良く,
ヒザで切ってしまう手もあったかも。
ちなみに一般論としてのテクとしての解説で,
・決めの画を撮るつもりではなく,モデルの固さをとるためにジャンプを
させて撮ることは良くやる。
・このとき、ジャンプさせた感じで,そのモデルの勘の善し悪しが
わかるので、その後の撮影シーンでもそれを考慮して撮ることがある。
とのことでした。
とりあえず、初めてのあめ玉コンペで、6票が入ったのでホッと
しました。作品のできはあまり良くないのは自覚していたので,
望外の評価でした。
このほか、撮影した画の選定段階は第二のシャッターチャンスだと
繰り返し強調され,「逆さまにして鑑賞してみる」ということを
勧めていました。
これはアンリ・カルティエ=ブレッソンも、逆さまにしてみて
構図をチェックしていたということですから,オーソドックスな
方法なんでしょうね。
そして後半戦の画。
詳しい写真の解説は割愛しますが,望遠チームの玉ボケ写真と
標準レンズチームの近接撮影の写真がほとんどという、その中
での切り取り方の差が評価の分かれ目,というコンペになりま
した。
こういうやつとか,
こういうやつ
コメントから。
(土屋先生)
・伝えたいところをしっかり伝える。指先のイメージを伝え
たくて、顔はボケてもいいという明確な撮影意図があれば、
それを伝えるのに最も良い構図,背景というのが選べる。
・人に見せられる,伝えられる画を撮る。(これは撮れてる)
・標準チームは寄りで表情を追う。呼吸をまさに合わせて
息を吐くときのモデルの表情が緩む瞬間に、シャッターを
切る。
・被写界深度に収める,背景に取り込む取り込まないを決める,
がちゃがちゃした背景にしない。
で、私の写真は,かろうじて評価してくれる人がいました。
(1)です。
はい。前半戦の写真で1位になった方の写真と
ほぼ同じポーズ,同じ構図。しかし、背景が違う。
(土屋先生)
・表情は良く撮れているけど,背景ががちゃがちゃしちゃったか。
・都会の風景という雰囲気か.....
・やっぱり車はいらないよね。
・これだけ表情がいいなら,タテ構図にトリミングして,勝負でも
良かったのでは?
ということで、基礎講座の趣旨からは、もっと整理した方が
よいよね、というコメントでしたが,最後に土屋先生自身の
1票をいただきました。(大感激)
そこで先生の趣旨に沿ってトリム。
悪くないかもしれませんね。
ということで、実習2回を含む全5回の講座は修了。
その後、後懇親会に参加して写真談義を楽しみ、帰宅
しました。
正統派のポートレート撮影を追い求める土屋先生の
撮影手法は、違和感がないですし,H師がお仕事が
忙しい(雑誌の表紙の撮影が増えた)様子で,私塾の
方が開催予定がないので,しばらく土屋クラスに通う
ことになりそうです。
(本ブログの写真はすべてモデル本人および事務所の
承認を得て掲載しているものです。著作権はカイザー
にあります。一切の無断転載・複製・二次使用等を禁
止します。)