齢五十を過ぎれば、明日は保証されぬ

──健康こそ最大の資本

齢50を過ぎると、明日が保証されなくなる。

それは仕事のことではなく、健康の問題である。

 
マッサージチェア販売員の言葉

先日、SNSで「マッサージチェアを30年間売ってきた」という女性の記事を読んだ。

高齢者、とりわけ女性は膝が痛くなる。そこでテレビCMでは「膝が痛いならコンドロイチン」という宣伝が流れる。だがこれは、膝関節の軟骨がすり減り、歩くたびに痛む症状に対して、怪しいサプリを売りつけるための常套句でもある。

整形外科に行き、「先生、膝が痛いんです」と訴えると、たいていは痛み止めが処方される。

アメリカではタイレノールが一般的だが、日本ではロキソニンが主流だ。

これらを常用したり湿布を貼り続けると、血圧が上昇することがある。すると今度は降圧剤が処方され…こうして薬物依存のループに突入する。

 
膝痛の本当の原因

膝の痛みの原因は、多くの場合「筋力低下」である。

膝を支えてきた筋肉が、運動不足で衰え、支えきれなくなり、結果として軟骨が直接ぶつかる。特に女性は男性より筋力低下が早く、影響も大きい。

歳を取って必要なのは、薬ではなく筋トレであったのだ。

筋力が弱れば骨粗鬆症にもつながる。骨は約2年半ごとに新陳代謝で作り変わるが、その際に骨密度は筋力に見合った強度に調整される。筋力が強ければ骨も丈夫になる。だからこそ、その女性販売員は「筋トレをしてください」と言い続けていたのだ。

 
筋トレと精力

実は私もここ数年、精力減退に悩んでいた。EDかとすら思ったが、筋トレを再開すると驚くほど力が蘇った。

やはり筋肉は全身の活力の源である。

 
減塩神話の危険

日本の医療は長年「減塩」を推奨してきた。

厚労省は男性1日7.5g、女性6.5gを目標とするが、もともと日本人は約15gを摂取していた。冬場ならまだしも、夏場にこれを守れば脱水症状を起こしかねない。

先日、友人のレストランで食事をし、帰りにトイレへ行くと尿は少なく、色は濃い黄色だった。この時点で水分不足を感じたが、そのまま帰路へ。すると車中で突然めまいがして運転不能に。幸いプロパイロットで自動停止できたため事なきを得た。ガソリンスタンドに避難し、外に出て作業しているうちに回復した。

翌日、医師に相談したところ「脱水症状でしょう」とのこと。伊勢守(私のAI相談役)からも同じ指摘を受けた。以来、夏は毎朝塩ひとつまみ+水200ccを実践している。

 
夏場の脱水のメカニズム

夏は思っている以上に汗をかいている。

水やお茶だけを飲むと血中塩分濃度が下がり、結果として脱水症状(低ナトリウム血症)になる。

学生時代の朝礼で倒れる生徒と同じ現象だ。

軽作業や運動で汗を2〜4Lかけば、塩分5〜12gが失われる。

昔は朝食に味噌汁を飲み、西瓜に塩をかけて食べることで自然に塩分補給をしていた。和食は実に理にかなっている。

 
スポーツドリンクの落とし穴

市販のスポーツドリンクは、ナトリウム・カリウム・マグネシウムを効率的に補給できるが、糖質が多すぎる。

例えば500mlに糖質31g=角砂糖約10個分。

だから私は、塩ひとつまみ+水200cc、必要ならレモン果汁と蜂蜜を加えて自作している。

 

歳を重ねるほど、健康の大切さが骨身に染みる。

金よりも健康、そしてピンピンコロリこそ理想の最期であろう