7月7日(七夕)
朝5時に目が覚め、風呂へ行くと、昨夜とは男女の浴場が入れ替わっていた。
独りで温泉を満喫し、7時からの朝食を待ち、その後チェックアウト。
この日の予定は「高山 → 白川郷 → 五箇山 → 富山市内」。
まずは高山へ向かう。昨日の続きとなる国道158号線を進むが、平湯からは登りのワインディングが続く。
車を追い越しながら高度を上げていくと、全長4,370mの平湯トンネルに至る。
トンネル手前からは平湯の里が一望でき、清々しい気分になる。
トンネルを抜けると一転してひたすら下り坂だ。
8時半前には高山に到着。町はまだ喧噪前の静けさに包まれており、陣屋もオープン前で扉は閉ざされていた。
江戸時代、よくも郡代様はここまで歩かれたものだと感心する。
飛騨高山陣屋には、任期数年〜十数年の郡代が幕府から派遣され、飛騨一国を統治していた。郡代の下には数名の代官が置かれ、各地の行政を担当。石高は7万石で、米よりも養蚕が盛んであった。旗本が郡代職に就くものの、一国差配ゆえ大名級の格式を持っていた。
白川郷は陣屋の支配下だったが、その北の五箇山は加賀藩領。
混雑前に高山を後にし、白川郷へ。富山泊なので時間は十分、下道で向かう。
国道158号線は市街地を抜けると林間の道となり、速度を抑えて走ると景色がよく見える。
やがて視界が開け、集落に巨大な水車が現れる。バイクと比べても圧倒的な大きさだ。敷地内には蕎麦屋があるが、早すぎて開店前だった。
牧戸交差点で158号線は左折して九頭竜湖方面へ続くが、直進すると国道156号線に入る。右手には荘川が流れ、その水を堰き止めてできたのが御母衣湖(みぼろこ)。御母衣ダムは巨大な岩石を積み上げたロックフィルダムで、その迫力は写真では伝わらない。思わず「ワーオー!」と声が出た。
暑さが厳しくなり、道の駅飛騨白山で水筒の茶を補充し、水に浸した冷却マフラーを首に巻く。
道の駅から白川郷までは約14km。途中、「帰雲城跡」の看板が目に入る。戦国期、内ヶ島氏の居城であったが、天正13年(1585)の大地震による山崩れで城下ごと埋没。莫大な黄金も一緒に埋まったとの伝説が残る。
白川郷に着くと、真夏の強烈な日差し。昼食を取ったが、今や観光客の大半が外国人だ。
ここからさらに20km北上すると五箇山集落がある。こちらは観光客が少なく、落ち着いた雰囲気で見学できるのでおすすめだ。
それにしても暑い。平湯で「夏の富山は地獄」と聞いたことを思い出す。富山市街に入ると汗が滴り落ちるほどだった。
宿は御宿 野乃 富山。ドーミーイン系列で温泉に特化した宿だ。14時過ぎにチェックインし、そのまま温泉へ直行。一番風呂を楽しんだ後、冷えたビールを流し込むと、五臓六腑に染み渡る。
部屋のバスルームも温泉仕様で驚く。向かいが総曲輪という飲食街だと聞き、夕食を兼ねて外出。
食事を終えるとまだ18時。軽く飲んでから帰ろうと店を探したが、目当ての店は19時開店。暑さの中で40分以上待てず、結局コンビニで酒とつまみを買って部屋飲みに。
YouTubeやNetflixを観ながら温泉に入り、贅沢な夜を過ごした。
この日は観光名所を多く巡り、195.1kmを走行。
3日目へ続く。