先月7月、私はついに還暦を迎えた。
乙巳生まれであるが、周囲の諸先輩方からは「還暦? まだまだ若いね〜」と言われる始末である。
Harley仲間のカズちんが、還暦祝いとして吉祥寺の有名焼き鳥店「いせや」に連れて行ってくれた。
いせやは吉祥寺に2店舗あるが、今回は井の頭公園口の店へ。現地集合だったが、この日は兎にも角にも暑い! 優に40℃は超えていたはずだ。
そもそも気象庁の発表する気温は当てにならない。コンクリートジャングルの都会に百葉箱のような環境があると思っているのか?と言いたい。
いせやは12時開店。すでに炎天下の中、数名が店前で待っていた。店内は総本店より幾分涼しく、生ビールがやたら旨い気温である。
正直、いせやの焼き鳥はそこまで旨くない。酔いが回るまでは焼売と餃子でつなぐのが私流だ。餃子は今ひとつだったが、焼売は絶品だった。
私は生ビールのサッポロ黒、カズちんはサッポロラガーの赤星。赤星を飲むと、子供の頃、父の膝の上で「泡だけだぞ」と言われて飲ませてもらった味を思い出す。
話はいつしか北海道ツーリングに及んだ。カズちんも古希、行けるうちに行かねばならぬ年頃である。
北海道は“海外”ゆえ、必ずフェリーに乗らねばならない。東京発なら、大洗→苫小牧、新潟→小樽、仙台→苫小牧、八戸→苫小牧、大間→函館、青森→函館、青森→室蘭などがある。
カズちんは「青森まで下道で自走だ」と豪語し、さらに「Harleyでな」と付け加えた。BMWならオートマだから…という甘えは許さないと言うのだ。
私は7月上旬の独りツーリング「奥飛騨〜越中〜上山田温泉」をBMWで走ったが、最初はセミオートで足操作、途中からフルオートに切り替えた。やはりHarleyのクラッチは重い。
出発日は9月7日に決定。ルートは三陸海岸の国道45号線を北上、仙台から松島、石巻泊。
2日目は宮古から田沢湖か久慈泊、3日目は十和田湖経由で奥入瀬渓流、酸ヶ湯温泉を経て青森入り。深夜の青森→函館便で朝市へ直行。
小樽泊の後は稚内を目指す予定であった。
ところがカズちんのHarleyはクラッチ板が摩耗し、部品もすぐに入らないらしい。HOG保険でレッカー搬送は可能だが、修理開始は8月26日からという。
保険があるから私ならば行くが・・・
「来年が あると思うな 高齢者」なのである。
最悪は今回の北海道ツーリングは独りになる可能性もある。
最後に焼き鳥を注文したが、いせやにはネギマがない。「ひなを食べた後に葱を食べろ」というスタイルらしい。
酔ったカズちんは千鳥足。焼酎ロックをチェイサー代わりに焼酎水割りで流し込むという豪快さ。
最終的には私がカズちんをタクシーで家まで送り届けたが・・・
還暦といえど、上には上がいる。
さて、北海道ツーリングはどうなるのか——乞うご期待。