明治5年、汽笛一声新橋から横浜まで、陸蒸気が走ったのが我が国の鉄道史の幕開けであった。

田舎者寄せ集めの明治政府は、金がないとのことで、世界標準軌と言われる線路幅1435mmであったのに、植民地軌道と呼ばれた狭軌1067mmを採用してしまった・・・

しかし、一体どれ程の金額の差があったのであろうか?

これって、イギリスに騙されたのではないの?と私は思っている。

狭軌1067mmはJRの一般線や大手私鉄もこの軌道である・・・

 

こうして、日本全国に鉄道網が張り巡らされていった。

国会議員の選挙公約でも「鉄道を引く」が大ブームとなり、結果、国鉄は赤字ローカル線を生み出したのだ・・・

 

昭和30年頃には、鉄道は斜陽産業といわれ、弾丸列車構想も無用の長物と揶揄されている。

東海道線は既にパンク状態であり、更に1本線路を引くことを考えていたが、当時の国鉄総裁十河信二は、島秀雄、大石重成らと強力に新幹線計画を推進させた。

この三人は、新幹線三羽がらすと呼ばれていた。

 

我々はこの男達のドラマが正しかったことを、身を以て分かっている。

そして、田名角栄の日本列島改造論により、日本中に新幹線を通すというい計画の果実を食べているのである。

 

東京〜新青森までMOTORHOMEで下道で行けば3日掛かるし、東北自動車道を走っても半日は必要であるが、これを3時間10分で結んでしまうのである・・・

 

そして、今年、鳴り物入りで北陸新幹線が敦賀まで延伸したが、その先の新大阪までは白紙に近い状態であるという。

東京に住んでいると分からない地方の新幹線事情もあるのだ。

 

その一つに、名古屋方面から福井や金沢に行くのが不便になったというのだ。

名古屋から福井に行くには以前は特急しらさぎ号に乗れば1本で行けたのに、今は敦賀駅で乗り換えとなった。

敦賀駅は町に比べて巨大で立派な感じがする。

去年の夏に、"独りツーリング北陸"でクソ暑い敦賀を経験して、駅前のホテルに泊まったのだが、駅ビルが巨大であった印象が強かった。

関西方面からの特急サンダーバードも同じ感じで敦賀駅での強制乗り換えがあるという。

重い荷物を持って上がり下がりを約10分だそうだ・・・

 

そして、蓋を開けたらなんと多くの顧客を高速バスに奪われる結果となっているという。

高速バスは新幹線より時間は掛かるが、乗り込んだら降りるまで乗り換え無しでり、尚且つ料金が新幹線の半額ぐらいだという・・・

更に特急の新幹線割引も無くなったというのだ・・・

 

北海道新幹線を見ても不思議ちゃん天こ盛りである。

何故、函館駅に入らないのか?であり、現行の函館北斗駅は函館から結構距離があるのだ。

私の考察だと、函館駅はドン突きであるので、東京〜札幌の新幹線はスイッチバックになるのである。

詰まり、今まで進行方向に向かって座っていたのに、逆向きに進むことになる。

でも、これって東京〜札幌まで新幹線で行く人間って、鉄道系ユーチュバーや乗り鉄を除けばほぼ皆無でしょう?

どう考えても羽田〜新千歳の航空機を利用すると思うし・・・

所要時間も新幹線は4時間半だが、飛行機なら1時間半である。

諸々に移動時間(飛行場上まで)を考えても飛行機の方が早い。

では、逆に最終列車を考えると、札幌19時台に出ないと、東京にその日に着けないとなる。

しかし、飛行機は21時45分である。

飛行機は新千歳を離陸後数分で津軽海峡であった・・・

国際線より低い高度のために、昼間で晴れていれば地上の景色も見られて楽しかった・・・

 

詰まり、東京からの乗客よりも、道民の移動を視野に入れるべきであったと思う。

JR北海道ドル箱路線といえば、札幌〜旭川と札幌〜函館なのである。

新幹線の特例法として、新幹線と並行する在来線は廃止して良いとなっており、JR北海道は小樽〜長万部を廃止しようとしているが、実はこの区間、貨物が利用しているのである。

JR貨物は独自の線路や架線を持っておらず、通行料を各JRに支払っている形である。

しかし、もし、JR北海道が新幹線との平行在来線を廃止すれば、玉葱やジャガイモが首都圏、いいや日本全国に配達されなくなるのである。

貨物をトラックに置き換えると、トラック35万台、フェリ15隻を新たに増やさねばならないという。

詰まり、現実的な話ではないのはお分かりであろう。

ここまで来たら、日本国政府が金を出すしかないでしょう?

だって、国民の食の確保は政府の義務なのだから!!!

 

話を戻すと、道内の移動を考えれば、北海道新幹線は、函館乗入れは絶対なのである。

 

日本国有鉄道は、常に赤字に悩まされたのだが、これって冷静に考えれば当たり前の話で、"鉄道はインフラ"と考えれば、政府が赤字を埋めるのは当たり前の話である。

 

私の最寄り駅の上石神井駅は、西武新宿線の駅で急行、準急も止まる駅であり、朝の9時台には16本も電車がやって来る。

3.75分に1本である。

内、速達電車の急行・準急は8本である。

これだけ電車がやって来れば、車より電車を選ぶことが出来るが、これが1時間に1本とか、1日で5本になると、最早鉄道を利用する地元民はいなくなる・・・

地方に行けば行くほど、マイカー保有率が高いし、家族1人1台となる。

こうなると鉄道を利用する人は居なくなり、廃止されるようになる。

 

"国鉄は赤字で良い"が本来の正しい姿であるのに、何時しか「国鉄の赤字はけしからん」となり、民間に分割された。

民間になれば当然採算が合わない路線は、廃止されるのは自明の理である。

 

今、売国奴達が水道、電気等の民営化をしようとしている。

現実に起こったことであるが、水道が自身で壊れたが、民間水道会社は放置した。

何故なら、壊れた先の顧客数が少ないために、費用対効果で修理しないとなったからである。

これで良いの?

だから、インフラ整備は公がやらなければならないのである。

民間なら赤字になるような検査や修繕体制を公だから維持できるのである。

 

もし、国鉄が赤字でも良いという名の元に運営していれば、過疎化も防げたかもしれない。

赤字ローカル線でも1時間上がり3本か4本運転していたら、人々は都会の喧噪を離れやってくきたと思う・・・

 

鉄道が不便になったから、路線バスが走り、路線バスも不便だから自家用車になっているのである。

採算性を考えて、本数を減らした結果、誰も利用しないという結果を招いたのだ。

 

新幹線も地元の利用者の声を聴かないと、無用の長物となりかねない。

北海道新幹線も東京〜札幌を考えずに、それぞれの地域に根ざした運用法考えないと赤字路線となる。

東京発、函館行き、札幌行きを設ければ良かっただけでは?と思ってしまう。

 

さて、鉄道の未来はどうなるか?

リニア新幹線も私が生きている間に完成するのか?

静岡県問題も、政府が乗り出さねば解決しないでしょう?