9月18日、私は愛機イシュタール号を車庫から出して、久しぶりにエンジンを掛けて走り出した。

実に46日ぶりであったが、エンジンは絶好調であり、エギゾーストからの排気音もこれぞHarleyという音を奏でていた。

久しぶりにHarleyの田無にある店に行き、担当Mと話をしていたら、6ヶ月点検の案内が来ていたことを思い出した。

"通常価格25000円ぐらい"にオイル代等を入れれば、5万円コースであるが、8月に過酷な北陸方面独りツーリングを思い出すと、やはりオイル交換は必要であろうと思った。

 

私はHarleyをそのまま預けて、何故かタクシーで帰宅した・・・

「あれ?行きは確かBikeであったような気がしたが・・・」

 

店から出るときに「恐らく22日の金曜日出来上がります。そういしたら電話差し上げますよ。 実はその日に今年のCVOが入荷してくるんです・・・。是非観て欲しいな〜」と言った・・・

 

23日土曜日に、MからLINEが入った。

「点検完了しました!!! Kさんの新車入荷しました。お待ちしています」

このような不愉快な写真まで添付されていた・・・

 

結局その日に、タクシーでイシュタール号を取りに言ったが、通常はMが自宅までHarleyを届けてくれるのに、何故か、この日は私がタクシーを自宅まで呼んで田無へ向かったのであった・・・

 

Mに促され、CVOの実機を観てしまった!!!!

今日来たのが間違いであった!!!そう後悔したが遅すぎた!!!

このコクピットを見せられて、断れるほど、私は・・・、私は!!!、人間が出来ていない・・・

このマルチ画面に、ナビも出ちゃうし、何よりも4スピーカーで、更に今まで乗ったどのHarleyよりももの凄くいい音なんだよこれが!!!

 

Mもニコニコ顔で「いや〜、ここまで嵌まってくださるとはね〜」と更に、店長までも満面の笑みであった・・・

悔しい・・・

結局、術中に填まったのか!!!であった。

正に、実機を見せられたらね〜

 

今までのイシュタール号は、ドムであり、カズちんが乗っている一つ前のエンジンTWIN CAMシリーズは正にザクレベル。

すると、Mは、「このCVOはジオングですよ」と自慢気であり「足は必要ないんです」と繋げた・・・

「分かっていないは、お偉いさんだけか・・・」と返すのがやっとであった。

 

2023CVOは、Harley社が満を持して世に放ったBikeであるというから、ジオングで間違いのかもしれない。

 

HXタイプとTRタイプがある。

Mが送ってきた写真を見ていただくと、右がTRで左がHXであるが、私は未だにHXに乗ったことが無かったので今回はHXにして、愛機をティアマト号と命名した。

因みにティアマトとは、古代シュメールの海の女神の名である。

女神イシュタールよりも上の存在である。

 

私は歴代Harleyには名前を付けている。

最初のHarleyからアルテミス、イシス、ブリュンヒルデ、アフロディーテ、イシュタール、そしてティアマトである。

 

さて、その日は余りにもある意味悔しかったので、店の提示した金額に首を横に振り、○○○万円ならば今すぐ買う!!!と言い放った。

Mは「一日下さい」と目に涙をウルウルさせた!!!

「最期は私が勝つのだよ、明智君」状態で気分が良かった。

 

帰り際、Mがイシュタール号を用意しようとしたが、私は「タクシーで帰るから」と言った。

「???」のMに私はセコく言った。

「だって、今乗って帰ったら、点検代払わなければならないだろう? だが、このまま下取りなら支払いは無いよな!!!」

「・・・」

まあ、店的には点検代を私が払うか、次のお客さんから取るかの差であるが、間違いなくビックモーターと違って、点検整備しているので次に買う方はお買い得車であることは間違いない!!!

 

翌日の昼過ぎにMから電話があった。

「その金額でお願いします・・・」

 

問題は、私のUSA戻りの日が近いのである(今回は銀行問題を片付けたら年内帰国予定)が、それまでに何とか納車である。

取りあえず、日本で一番最初かもしれないCVOであるから、渡米の前に見せびらかしたいでしょう?

 

今回のHarleyは何と"121キュービックインチ"(1983cc)だそうだ。

車業界はダウンサイジングなのに、Bike業界はアップサウジングなのである。

BMWのGSも1300ccになるのだそうだが、私はそちらの乗り換えを視野に入れていたのに、何故かHarley・・・

 

でも、イシュタール号は初めて車検を通したBikeであり、それも今年の春先に2回目の車検であった。

この間、私の心を揺さぶるHarleyが無かったともいえるが、昨年、HXに乗り換えようと思ったことがあったが、乗り換えないで正解であった。

もし、乗り換えて、このCVOを観たらショック死状態であった事は間違いない!!!

 

カズちんがオイル交換を町場の改造バイク屋でするのに付き合ったことがあった。

その店は、何とブラッド・ピットのBikeを手がけた店であり、何とブラッド・ピットから「直接届けてくれ」と言われ、店長がブラピの家まで届けたそうだ・・・

そこのメカニックと話が弾んだのだが「すると、Kさん(私)はご自分のBikeに愛着はないのですか?」と質問された。

「それはあるよ。でもさ、ザクに乗っていてドムが投入されたら、ドムに乗りたいと思うでしょう?」と応えると、メカニックは大爆笑して「その気持ちは分かります」と言った。

ガンダム世代の性で、ガンダムのモビルスーツで分かり合えるのである。

 

こうして、今が一番楽しいルンルン気分なのである!!!

これは浮気ではなく、バージョンアップなのである。